年金で食べて行けるからと人生を前向きに考えないシニア

今日の午前中は、いつものスポーツセンターのジムで筋トレをした。午前中は、シニアが多い。ベンチプレスをしていたら、顔見知りで一度も会話をしたことがないAさんがニコニコしながら初めて私に話しかけてきた。Aさんは、いつも、ジムで見かける常連ユーザーだ。私は、自ら他のユーザーに話しかけることはない。Aさんは、知らない人たちに話しかけるのが苦痛でないようだ。実に羨ましい。

彼の話を聞いていると6年前に退職をして、今は、両親の介護をしているという。年齢は、私と同じ63歳だ。介護のために離職したのではなく、どうもリストラされて早期退職になったようだ。彼の奥さんが代わりに働いている。6年間両親の介護をしていると思考が前向きから後ろ向きになってしまったと彼は言っている。

確かに、介護は自分の人生の時間を介護する両親に提供する。介護する息子は、自分の時間を両親に奪われているのではと感じ始める。彼の早期退職と両親の介護が同じ時期に起きたため、彼の思考が後ろ向きになったのかもしれない。彼いわく、もう、仕事なんかやりたくない!そんな気分だそうだ。

スポーツセンターに来ているシニアは引退した人だらけ?

Aさんに聞いてみた。彼は話し好きであるのでスポーツセンターに来ているシニアを多く知っている。筋トレをしているシニアで一番年長者は何歳なのかと。

彼いわく、83歳だという。ちょうど、83歳の筋トレ年長者が近くでトレーニングをしていた。顔と体を見たら、とても、83歳の老人ではない!どう見ても10年は若い。筋トレをやり続けるとあんな感じの体になるのか。83歳でも筋トレをやれるのだと改めて認識した。常連のシニアは、どうも、私よりも年上の人たちだらけのようだ。顔や体を見れば、筋トレ効果が出ていると分かる。

今までこのスポーツセンターのジムで話しかけられたのは今回を含めて5度目だ。話しかけてきたシニアは、皆、仕事を卒業したシニアだ。70歳以上のシニアが多い。Aさんは、私と同じ63歳であるので常連ユーザーの中で若い。彼と私の違いは、私は筋トレを週2回やっているが、彼は、毎日、ジムに通っているという点だ。

どうも、スポーツセンターのジムは彼の老後の居場所のようだ。介護している両親は、昼間デイサービスに送り出すのでその間にスポーツセンターに来ている。彼にとってスポーツセンターは、息抜きの場所になっている。色々な年齢層の人に共通の話題で話ができる。皆、体を鍛えるために来ているからだ。老若男女がジムに来る時の共通の話題は、筋トレだ。

毎日、彼はジムに来ているので体格はすこぶる良い。彼から色々と筋トレの助言を頂いた。彼は、気楽に筋トレをしている人たちに話しかけられる性格を持っている。彼にとって見れば、知らない人と知り合いになるのが喜びを感じる時だという。両親の介護で積もるストレスを発散させるために彼は毎日スポーツセンターにやってきて筋トレをしているのだろう。

私のような自営業者が筋トレをしているのは、稀である。平時の午前中は、誰もが仕事をしているのが当たり前だ。私の場合は、仕事をする時間帯と場所を自分が決められるので自由度が人よりも有る。最近は、火曜日と金曜日が私の筋トレ日になっている。以前は、水曜日と土曜日であった。週末は、学生たちがやってくるので混む。それが嫌になったので平日に筋トレの時間を変更した。

Aさんは、年金だけで生活が出来ているためか働いてお金を稼ぐという考えがない。経済的に苦痛を感じていないからだろう。私にしてみれは、それは短絡的であると思う。年金は年々額が減っていっている。奥さんが働いていると言っているが、奥さんが失業したら生活はどうなるのだろうか?そんな心配はしないのか。

 私と同じ63歳のAさんは、働こうと思えば働ける環境がある。アルバイトでもパートでも年齢的にまだ職を探せる。そんな事を話したのだが、彼はもう仕事をしたくないと頑なにいう。もう、6年間も仕事をしていないからという理由だ。同時に、自分の思考が前向きから後ろ向きになってしまっているからだと付け加えた。

私の性格は仕事柄前向きに物事を考える。前向きに挑戦していかないと仕事を続けられないからだ。仕事がないと私の老後は成り立たない。それ故、仕事は私にとって生きがいである。好きな仕事をしているので苦痛は全然感じない。Aさんにとって、仕事は苦痛のようだ。好きな仕事をやってきていないからだと思う。

次回、スポーツセンターに行ったらAさんにまた会うだろう。彼にしてみれは、私のような前向きなシニアは珍しいようだ。

この記事「年金で食べて行けるからと人生を前向きに考えないシニア」のポイントは、

  • Aさんは私と同じ63歳の筋トレシニアだ。早期退職して両親の介護で自分の時間を取られている。筋トレは、彼にとってストレス発散の機会であり、知らない人と仲良くなる場所でも有る。
  • 6年間の介護生活は、自分の人生を前向きではなく、後ろ向きにする。年金と妻の仕事で経済的な不都合さはないという。働く必要性を感じていない。人生は長いので好きな仕事を見つけて家族のために何か出来ればと話したのだが、後ろ向きの思考が邪魔をしている。