どのように仕事でシニアを使うべきか?

65歳以上のシニアの労働力に目が向き始めている企業が増えてきているが、まだまだ、少ない。その上、シニアのリソースを上手く使えていない。シニア=老人というイメージであるため、シニアのスキルを上手く使えていない。新しい技術や知識を覚えさせてやらせる仕事はシニアをダメにする。

64歳の私でも今更新しいコンピュータ言語を学んでプログラミングをする気にはならない。シニアの強みは今まで培ってきた経験とスキルであり、それをすぐに使える場所を企業は社内に用意することだ。

シニアの持ち味を活かせる仕事場を用意できるか、出来ないかが問題!

シニアだから簡単な仕事を与えるとか、高齢者だから若い人のアシスタントにするとか、風貌や年齢だけで年配者の仕事をアサインするやり方は時代遅れだ。高齢者は体力や活動力が少ないが、自分の専門分野での経験値を持っている。経験がない若者よりも正しい判断が出来る。

マクドナルド、モスバーガー、松屋、近くのスーパーマケットなどで働いている高齢者たちは、生かされていない。人手を満たせば出来る仕事は労働生産性が低いし、満足度も少ない。人手が足りない単純作業の仕事は、いづれはロボットに置き換えられる。または、AI支援のセルフサービスによってニーズを満たす。

未来志向の企業は、人材の採用で学歴、職歴、年令や性別などで採用を判断するのではなく、その人が何を得意としているか、何に情熱を持って追求しているかなどの姿勢と知識で社内の仕事があるか、ないかで判断することになるだろう。

例えば、

住宅の営業を見てみれば、若い営業マンよりも人間味と人生経験で重みがある年配者の営業マンのほうがお客様に安心感と信頼感を抱かせられる。新規案件の発掘は若手営業マンにやらせ、案件のクロージングは年配営業マンに任せるという役割分担が可能だ。

営業経験が豊富なシニアならば、若手営業マンとのチームワークでシニアのリソースを上手く使える。入社3年以内の若手営業マンよりも人生経験豊かな年配者のほうがお客さんとして安心感が持てる。扱う商品やサービスが人生経験豊かな人との相関関係が強ければ強いほどシニア人材が生きる。

シニアを雇用する時は、その方の持ち味が何であるかを面接時やお試し雇用期間中に見出すことだ。持ち味が見つからず、社内の仕事にフィットしなければ別のシニア人材を探す。

仕事を探しているシニア人材は、自分の持ち味がどこにあり、アピールできるスキルや知識を整理して採用面接に赴くことだ。当たり前といえば当たり前だが、再就職先を探す時に会社を受け入れ姿勢を観察して後悔がないようにすべきだろう。

1ヶ月間ぐらい手弁当でその会社の仕事をやってみたいという提案をしても良いだろう。その結果、その会社の内部情報が手に入り、本当にこの会社に再就職して後悔しないかが分かる。または、自分の能力が活かせる環境があるかが分かるはずだ。

少子高齢化時代の労働は、雇用する側も人間の強みを上手く活用しないとビジネスが上手く回らなくなる。簡単な仕事やプログラミングが出来る仕事などはすべてAI搭載のロボットか、セルフサービス機器が代行してくれる。人間の労働力はもっと人間でないと生かせない仕事にシフトすべきである。

AIやロボットには、感情がない。感情表現も出来ない。人間とロボットの違いは、喜怒哀楽の感情にある。人間は不確実事をする。ロボットやAIは、計算で確実な事をする。ロボットやAIは、完全に人間にはなりきれない。AIやロボットには魂がない。

AIやロボットが人間に近づくのはまだ程遠い。時間がある内に人間の強みと人生経験豊富な自分の強みでシニアの仕事を探してもらいたい。