食べる事が好きな高齢者が長生きする理由

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ピザを食べている老人をあまり見たことが無い。80歳を過ぎても食欲旺盛な老人をあまり見かけない。歳を取ると食が細くなるというが、自然にそうなるのだろうか。アクティブに外で動き回ることが少なくなり、エネルギーをそれほど必要としない生活になるからだろうか。

食べ物は、生きていく上でのエネルギーを体に与える。エネルギーが少なくなると体内にある脂肪や筋肉がエネルギーとして使われる。徐々に体は細くなり体重も減ってくる。

食べる量を増やして生きる力を得る

90歳と85歳の両親を旅行に連れて行くと豪華な料理が夕飯で出る。いつも、両親は食べきれずに私たち夫婦が残ったおいしい料理を食べることになる。私たちも食べきれないほどの夕飯の量に両親が残した料理も食べると満腹を超える。

私たちは二人とも大食いだから、何とかなるが普通の夫婦ならば両親が残した料理は手付かずになるだろう。もったいないの一言だが、高齢の両親にとっては食べきれない事情がある。

入れ歯で食べるものに制約が生まれる

一つに歯だ。両親ともに入れ歯だ。入れ歯がぴったりと口に合って普通の嚙み具合が出来ていれば問題がないのだがどうもそれは難しいらしい。入れ歯であると固い料理が食べられない。肉などは難しくなる。歯が丈夫でないと食べるものを嚙み砕けない。高齢者の歯は、個人差はあるが年齢とともに入れ歯にとって代わる。

当然、柔らかい食べ物になりがちだ。作る料理、旅先で食べる料理に制約が生まれる。50歳代、60歳代の夫婦が楽しむ料理とは違ってくる。旅行に一緒に行っても出される料理が入れ歯で噛み下せないものであると料理を楽しめなくなる。

新陳代謝減少で食欲が減る

二つ目に胃袋が小さくなっている。新陳代謝(基礎代謝量)が減少してきているので多くの食べ物を必要としない生活になる。胃袋もそれに従って小さくなる。たくさん食べれなくなる。

高齢者は、色々な理由で普通の生活が出来なくなる。体が年齢とともに壊れてくるからだ。体が食べるものを必要とするときは、必要以上のエネルギーを使う時だ。ちょっとづつ、体が使うエネルギーを増やしていけば、自然と食べる量も増えてくる。

エネルギーを消費する活動を増やすのが一番の対策

毎日の生活で必要以上のエネルギーを消費する活動を見つける事。散歩の回数を増やす。朝1回に夕方1回を加える。体を動かしてゲートボールやテニスができるならば、スポーツをする。兎に角、体を動かす活動を生活に取り入れることである。

体を動かす時間が増えれば、自然とおなかが空いてくる。お腹が空いたらたんぱく質などの高カロリー食を多くとるようにする。孫がいるならば、孫と外で一緒に遊ぶことである。孫をあやしながら動き回る時間を増やすと楽しみながらエネルギーを消費する。

食べる事が好きな高齢者が長生きする理由

近年、多くの研究で、食べることを楽しむ高齢者は、そうでない高齢者に比べて長生きする傾向があることが示されている。その理由は、主に以下の5つが考えられる。

1. 栄養バランスの良い食事を自然と摂取できる

食べることを楽しむ人は、偏食が少なく、自然とバラエティ豊かな食事を摂取する傾向がある。その結果、必要な栄養素をバランス良く補給することができ、健康維持に役立つ。

2. 食欲が旺盛で、低栄養のリスクが低い

食欲が落ちると、必要な栄養素が不足し、低栄養状態に陥るリスクが高まる。しかし、食べることを楽しむ人は、食欲が旺盛で、食事もしっかりと摂取するため、低栄養のリスクを低く抑えることができる。

3. 食事を楽しむことで、脳の活性化やストレス解消につながる

食事を美味しく味わうことは、脳の五感を刺激し、活性化に繋がる。また、食事の時間を家族や友人と過ごすことで、コミュニケーションを楽しみ、ストレスを解消することができる。

4. 食事作りや食材選びなど、食に関わる活動が充実

食べることを楽しむ人は、食事作りや食材選びなど、食に関わる活動に積極的に取り組む傾向がある。こうした活動は、生活に張り合いを与え、生きがいにも繋がる。

5. 食事を通して、人生の楽しみを見出す

美味しいものを食べることは、人生の大きな楽しみの一つ。食べることを楽しむ人は、食事を通して喜びや幸福感を得ることができ、それが長生きの秘訣にもなる。

結論

よく食べて、よく動く。老いたら体をよく動かす活動に従事すること。体を動かすことで食欲を沸かすことができる。老人は低栄養状態に成りやすい。それを防ぐには食を楽しむことである。色々な料理を味わい、楽しむ時間を増やし、自然に栄養バランスが取れた食習慣を身につけることである。

長生きをするには生命エネルギーを作る食べ物をバランスよく食べることである。良く食べる高齢者は生きるうえで必要な栄養を取り入れやすくなる。