私は65歳未満に該当するシニア。私が心配する老後は、身体能力の衰えだ。身体能力の衰えには、個人差が大きい。若い頃から肉体労働をして来た漁師、農業従事者、林業従事者、建築現場労働者などは体力面で会社員よりも優れている。カラダは使えば使うほどその環境に適応する。
NPO法人「老いの工学研究所」が「高齢期への備えに関する調査」を行った。その調査では、65歳未満も65歳以上も身体の衰えがトップになっている。
違うのは、65歳未満のシニアの心配事上位ランクが65歳以上の上位ランクから外れていることだ。
65歳以上のシニアは体の衰えに驚き、不安を覚え始める!
65歳未満のシニアは身体の衰え以外に心配な事:親の介護や世話、孤独や寂しさ、やることがない状況、年金の受給額、蓄えのなさなどが上げられる。
65歳以上のシニアは、一方で認知症、家の周辺環境、大きな病気や怪我など自分の体周辺のことが中心になっている。65歳を過ぎると老いによる体の老化現象が目立ち始めるのだろうか。私はまだ62歳なので65歳以上のシニアの状況を体で感じられない。
私が直面している心配事は、親の介護や世話だ。家内の両親が高齢で義母が転倒して介護ベッド生活を始めてしまった。老人が介護ベッド生活から復帰するには、食欲とリハビリ運動、そして、生きたいという強い願望だ。義母の生活環境を快適にすることを私たちはできるのだが、義母の体力を回復させるのは義母しか出来ない。
私が65歳を過ぎる頃には、親の介護や世話というイベントはなくなるのではないか。介護施設に出かけて顔を見せるか、他界してしまうだろう。今度は、自分たちの身体の衰えに自然と気が行き始めるのでは。老化現象を直に味わい始めると誰もがそちらに気が行く。
年金を受給し始めて介護でお世話をする両親が他界すれば、あとは自分たちの生活をいかにして充実させるかだけだ。その時に健康寿命が影響してくる。今まで出来た事が出来なくなるという身体の衰えとの戦いになる。
65歳未満で心配していた事の重みが65歳以上になると健康寿命に偏り始める。充実した人生は、健康な体でないと満喫できない。老いてくる体を長持ちさせるために健康食品に傾倒したり、健康体操を習慣化させたり、痴呆症予防の趣味を始めたりする。
65歳以降の生活のキーワードは、「健康」である。
75歳になったNPO団体の知人は、こんな事を話してくれた。75歳になるまでに思いも寄らない病気に悩まされたという。老化から来る病が歳を重ねる度に襲いかかって来た。65歳以降は、自分の体の健康を如何にして維持して行くかが重要な課題になってくる。
神から与えられた体という借り物を返す時期が近づくに連れて、それを体の異変で気が付き始める。