69歳の老後はまだ一人ではない。家内は元気に好きな事をしている。家内も今年から国民年金を受給する。二人の年金を合わせると新婚当時の生活をするような経済的な環境になる。食べては行けるが、収入が固定されるので小銭を稼ぐ仕事をしなければ金銭的な余裕はない。但し、貯蓄を切り崩せばお金で困ることはない。
取り敢えず、二人の老後生活は経済面で問題はない。お互いに好きな事をしている。私は個人事業者としてインターネットビジネスを続け、妻はピアノの個人教授をしている。ピアノを習いたいというシニア男女に毎週教えている。
二人で生活が維持できていれば孤独や寂しさはない。だが、いつかどちらかが他界する。これは宿命であり、誰もが直面する。女性よりも男性の一人生活に問題が起きる。女性は地域に根ざした生活を長年しているので仲の良い友人、知人、近所の住民とのネットワークが出来上がっている。おしゃべりを楽しめる人達が多い。
多くの男性は地域に根を張っていないため自宅以外に居場所を見つけにくい。男のひとり暮らしは寂しいし、つらい。人と話をする機会もなくなる。友人や知人が居てもいつも顔を合わせて暇つぶしをするような感じではない。時間とともに疎遠になり、知らないうちに一人、または、一人と他界していく。
年齢が80歳過ぎになれば、孤独と寂しさを友だちにして飲み込む覚悟が必要になる。それが当たり前の現実だからである。それは69歳の私でも理解できているのだが心で受け入れているかと問われると自信がない。まだ、ひとり暮らしになっていないから。
夫婦二人の生活が当たり前の生活である今、ひとり暮らしは想像できない。