定年退職後の居場所をどこにするか?

シニアの健康は、足の筋力の状態に依存すると言っても良い。足は第二の心臓と言われるほど体全体に血液を送る第二のポンプだ。足を十分動かさない事でエコノミークラス症候群になって亡くなる人もいる。シニアになればなるほど血液をサラサラにして体中に回すことが重要になる。その大きな役割を足の筋肉が担っている。

足を動かすには、毎日外出して歩く事である。自宅の中を動き回っても足の筋肉を鍛える事は出来ない。朝夕の散歩以外に自分の隠れ家を外部に持つことで必然的に足を使う生活が作れる。

自宅以外に自分の居場所を作る

老人の健康は、(1)十分な睡眠、(2)バランスの良い食事、(3)適度な運動、(4)意味ある時間の使い方で決まる。(3)の適度な運動は、特に足の運動が重要である。年配者の誰もが痛感する問題は、足が動かなくなるという脚力の衰えだ。60歳から急激に足の筋肉が衰えていく。使わない筋肉は必要ないと体が認識して筋肉を小さくする。

足を鍛え続けている高齢者は、逆に足の筋肉が増えて行く。普通の生活以上に足を使う活動をしていると自然にその活動に適した筋肉を体が作ってくれる。自宅の中で歩く距離と消費カロリーは、非常に少ない。一寸、そこまでの感覚で外出するだけで自宅内で動く歩数以上になる。

自宅以外の場所に自分の居場所を作ると意識しないで足を鍛える事が出来る。目的なしに街中をぶらついている老人たちとは違う生活のリズムが作れる。自分の隠れ家になる第三の場所は、本好きな人は図書館や蔦屋のスターバックスカフェかもしれない。ボランティア活動に興味がある方は、その仕事場かもしれない。

自分の居場所(隠れ家)は、自宅以外の場所で何をやりたいかで決まる。自分でビジネスを始めたいならば、コーワーキングオフィスに居場所を見つける。人材不足の今、65歳を過ぎたシニアでも人手としてほしい組織がある。区役所に行って見れば、ボランティア募集の仕事が直ぐに見つかる。好き、嫌いの好みはあるが自宅以外に自分の居場所を作る上で使える。

保育士不足の保育園が多い。保育士の資格が無くても保育施設で働ける新しい職種がある。 保育士を補助するグランドシッターという職種だ。こちらに説明が書いてあるので参考にしてほしい。

少子高齢化と人口減少でシニアが働く機会が増えてくる。働く機会が増える事が本当にシニアにとって良い事なのかは、個人のニーズによる。働かないと生活が出来ないシニアならば、大喜びだ。仕事を選択する自由度が増すからだ。

私の知人は、農家の土地を一部借りて野菜作りを始めた。野良仕事で野菜を作り、直売所で販売する。畑が彼の隠れ家になる。素人が野菜作りをすると色々な問題に直面する。試行錯誤と新しい勉強が要求され、自分の方法が試される。失敗しながら売り物になる野菜の育て方を学ぶのが面白いという。

野良仕事は足腰を鍛える。脳も鍛える。育った野菜を自分で味わえる。未知の世界の発見や経験が野良仕事から得られる。彼は野良仕事を始めて健康的な体になった。肥満から標準の体になったのだ。

私の隠れ家は、スターバックスのカフェである。カフェを仕事場として使っている。やかましいお客や親子連れが多いが、それはクレームの言いようがない。それが前提でカフェを使っている。嫌ならば、静かなカフェに移動して仕事をするだけだ。仕事をする場所は固定されていない。

現役の会社員であるならば、今から定年退職後の居場所をいくつか見つけておくことだ。60歳から65歳までの居場所と65歳から70歳までの居場所だ。年齢に従って自分の居場所を変えて行く。老後の生活は、会社員生活とは180度違う。自分で生活のリズムを作らないと老後の生活は苦しくなる。

奥さんたちと違って旦那衆は、地元に根が生えていない。自分で新しい根を生えさせねばならない。