手に職を身に付けるには

年金の額が少ない、足りないで悩み始めるならば、65歳前後までに何らかの収入を得る「手に職」を考えて準備しておくことである。年齢が70歳を越え始めると企業は人的なつながりがない限り雇用するのが難しくなる。70歳を過ぎたら自分のビジネスでお金を稼ぐという選択しかない。

単純な肉体労働は、体力勝負だ。70歳の体はそのような仕事に耐えられるかどうか。建設現場で見かける交通整理の仕事をしている高齢者を良く見かけるが体つきがしっかりしている。長年肉体労働をしてきたのだろう。1日中、作業現場で道行く人たちに交通の誘導をしている。若い人でも大変な仕事だ。単純な仕事であるが体力が求められる。

「手に職」のビジネスを出来るだけ早くから経験しておく!

歳を取るに従って組織でやる仕事の内容が単純作業になっていく。単純な仕事は、面白くないが誰かがやらねばならない仕事だ。人の手が必要だという仕事は、若さが絶対条件にならない。そのニーズは、シニアでも満たせる。

単純な仕事は体力を要求する。知的な生産活動ではない。65歳を過ぎたシニアは、100%近く面白くない単純な肉体労働の仕事に回される。そのような仕事は「手に職」につながらない。「手に職」の仕事は、専門分野が多い。その仕事を長い間経験しないと出来ないという仕事だ。

だからこそ、

シニアが「手に職」でお金を稼ごうと思ったら、出来るだけ早い時期に「手に職」のビジネスをまず体験することだ。70歳から始めても「手に職」のレベルまで高める時間がない。80歳までに他界してしまう可能性がある。

私の元上司は、65歳で会社を離れて「そば職人の道」に入った。 趣味のそば作りを発展させて田舎で蕎麦屋を始めたいようだった。趣味を実用に生かすというパターンだ。彼の場合は、長い間趣味としてそば作りをしてきた経験がある。そのベースがあるから、「そば職人の道」に入れたのだと思う。

家電製品のエンジニアである知人は、家電製品の修理するのが好きであった。仕事柄機械を触っている経験が長かったので家電製品の修理に抵抗感はなかったようだ。壊れたものを動くようにするという達成感が、「家電製品の修理屋さん」を始める上で背中を押した。

好きな事や分野で経験が長いとシニアになってからそれを飯の種にしてお金を稼げるようになる。シニアの強みは、若い人よりも長い特定分野の専門知識や経験だ。シニアは、一つや二つぐらい自分の得意な分野で何か秀でるものを身に付けている可能性がある。

60歳になる前に自分のスキルの棚卸をする。そのスキルでお金を稼ぐにはどうしたら良いかを考えて、試行錯誤の準備を65歳まで行う。65歳からは70歳になった時にその種でお金を稼げるように専念する。

一から知らない分野を勉強して商売を始めるのは止めたほうが良い!特別な情熱でやりたいという強い信念があるならば、やる価値があるが。

単純労働でお金を稼ぐ仕事は、精神的な苦痛が伴うだけでなく体力的にも無理があるのではないか。お店番のような仕事であれば、楽だ。ちょっとした管理と監視業務ならば、70歳の体力でも耐えられるかもしれない。

仕事をもらうためにお金を先に出すような仕事は詐欺だからやめたほうが良い。うまい話の仕事は、いつの時代でも詐欺につながる。仕事を探すときは、誰が見て真面な仕事をシニアは選んだほうが良い。得体のしれない仕事で良く理解できない仕事はシニア向きではない。

一番安全な仕事は、自分のリソースをお金に換えるビジネスを自分で考え、実行することだ。50歳代、60歳代のシニアは、自分のリソースがなんであるかを理解してビジネスチャンスのアンテナを高くして置く事だ。