椅子から立ち上がれない高齢者の運命と回避

91歳の義父の様子を観察して見た。リビングにあるソファに座って立ち上がるのに2回、3回立ち上がる動作をしないと立ち上がれない。

ダイニングの椅子からは、問題なく立ち上がれるが、義父の足の力が日増しに衰えてきている。外出して歩きまわる習慣がないというか、なくなった。脚力が弱まって散歩する気力もなくなったようだ。足は毎日使わないと知らない内に弱まっていく。これは高齢者にとって致命傷である。

本当に気が付かない内に脚力が弱まってしまう。気が付く時は、既に足の筋力が弱まってしまった時に起きる今までやれた事が出来ないという現象だ!義父は、自分の足の力が弱まってきているという事に気が付いて足の上げ下げ運動ができるステップ台を購入した。それなりに意識を持って頑張っている。

問題は、足の筋力を元に戻す正しい方法を実行していないことだ!!

ソファーから立ち上がれなくなると・・・

高齢者が足の筋力を元に戻そうと自我流に足を鍛えるが、どうしても自分に甘えてしまう。そのため、筋力を増やすレベルまで足を鍛えられない。私は、義父に生活支援レベル1のサービスを使って近くにある介護リハビリ施設に通うことを勧めている。

私を含めて誰もが苦しくなると途中で止めてしまう傾向が強い。高齢者も現状に甘んじてしまうと気休め程度の運動しかやらなくなる。それでは、弱まった足の筋肉を十分刺激できないため筋肉が元にどもらない。

筋肉を鍛える指標がある。

使っていない筋肉を普通以上に使うと翌日筋肉痛になる。これは誰もが経験する体の反応だ。この筋肉痛が実は筋肉の成長を示すシグナルになっている筋肉痛が起きない筋肉トレーニングは意味がない。義父の足を鍛えるには、筋肉痛を伴う脚力のリハビリをしなければならない。

私は週2回近くのスポーツセンターのジムでバーベルを使った筋力トレーニングを約2時間から3時間やっている。長年筋肉トレーニングをやっているため、翌日筋肉痛になるために意識して負荷の高い重量を使って筋肉を刺激している。

ベンチプレスという運動がある。50キロのバーベルをベンチに仰向けに寝てバーベルを両手で上げる。50キロのバーベルが10回続けて上げるよりも70キロのバーベルを数回上げるほうが筋肉を強く刺激できる。筋肉を太く成長させるには、負荷が普通以上に大きくなければならない。軽い負荷であると回数だけが増えて長い時間行わなければならない。そのため、効果が出難い。

義父が毎日やっている足の上げ下げステップ運動は、それなりに負荷があるが長時間行うか、頻度を多くする必要がある。私が見る限り、1日2回ぐらいの頻度で10分ぐらいしかやっていない感じだ。これでは、足の筋肉を普通以上に鍛えるのに不十分である。

私の予測では、足のステップ運動をやり続けても足の筋肉の衰えのスピードについて行けないためいづれソファーから立ち上がれなくなる。

義母は介護ベッド生活中であるため、義父が自由に身動きが出来なくなると家族の誰かが一緒に生活をして介助することになる。これが出来ない家庭であると二人共介護施設での生活になる。私達の生活を犠牲にして老夫婦と一緒に生活は出来ないため最終的に二人共介護施設に入っていただくしか選択が無くなる。

これを回避するには、義父の足の筋力を元に戻す足のリハビリを今以上に行ってもらうしか無い。義母は、背中の圧迫骨折で治療中であるが骨折は回復中で明るい未来が見えている。後は、筋力が落ちた足のリハビリだけである。老夫婦は足の筋力を増やすリハビリに必死にならないと介護施設行きになる

義父はその運命をどれだけ認識しているのだろうか。今の状況で自分の足が不自由になると自宅での自活が出来なくなるというリスクを認識しているだろうか。

3月になって義母の様体が安定し、デイサービス施設でのリハビリが習慣化した時に義父に義母と一緒にデイサービス施設に行って足のリハビリ運動に参加していただこうと思っている。

誰もが住み慣れた自宅を離れて介護施設の生活に移りたくないはずだ!