なぜ、体力が落ちた要介護の高齢者が老健生活で回復するのか?

私の家内の母を今年の7月中旬に近くの老健に入居させた。86歳の義母は、自宅で老衰で死んでいくような感じであった。食欲もなく、起きている時間も少なく、いつも介護ベッドの中で寝ていた。体を動かしていないため足のくるぶし辺りからむくみが目立ち始めていた。そんな状態でケアマネジャーのお勧めの老健に入居申請をした。

老健では、バランスの取れた栄養が取れる食事、出来るだけ普通の生活が送れるような生活リズムを取り戻すプログラム、リハビリ運動が行われた。老健は、基本的に3か月間しか入居できない。そのため、私たちは別の老健に移る手続きを取った。

3か月間の老健生活で義母が健康になる

今月16日(月曜日)にA老健からB老健に移った。幸運にもB老健に空きが生まれたからだ。老健への入居需要が高いのでタイミング良く入居は出来ないのだが、義母の時は幸運にもタイミングが良かった。義母をB老健に入居させて翌日17日に様子を見に再訪問した。義母の健康状態はこんな感じで良くなっている。

自宅介護: 食欲が無く食事がまともに取れない状態で寝ている時間がほとんど。老衰で亡くなるのではないかと心配。

A老健1か月目: 規則正しい生活リズムが始まり、体を動かし、起きている時間を増やされたため、食欲が出始めた。

A老健2か月目: 周りの老人たちとおしゃべりが楽しめるほど体力がついてきた。

A老健3か月目: 車椅子を自分の手を使って動き回れるようになるほど体力が回復。

B老健初日: ベッドから車椅子に移る時に介添えの手間が少なくなるほど体全体の筋力が付いてきている。顔色も良く、食欲も出て来て食べ残しが無くなっている。B老健にある喫茶室で私たちと一緒にコーヒーを飲めるほど精神的にも体力的にも回復してきている。

介護ベッド生活が長かったため、足の筋肉がそぎ落とされているような骨と皮の状態であった。この状態から自分の足で立ち上がることはまだできない。老健でのリハビリ3か月間の生活だけでは不十分であるため、B老健で足に筋肉をつけるリハビリを期待している。足のむくみは消えて無くなり、普通の足になっているが筋肉がない。老健で沢山食べてリハビリ運動をして体力と筋力をこの3か月間に付ける事が目標になっている。

老人が筋肉を失うとその筋肉を元に戻すのは非常に時間がかかる。3か月間では、到底無理であると私は思っている。そのため、老健を渡り歩く生活を義母にしてもらうことになる。同じ老健に再入居できないルールがあるので出来るだけ長く入居できる老健を次に探している。老健によっては、3か月間というルールを1年間まで伸ばしてくれる施設がある。義母の足の筋肉を元の状態に戻すには、最低で1年間は老健でリハビリ運動をするしかない。 

義父も家内も義母の回復ぶりに驚いている。自宅では、バランスの良い栄養がある食事を出せない。起きている時間を延ばす生活リズムも強制できないので悪循環になる。それが老健ではなくなり、マイナスからプラスになった生活のお陰で義母の健康が回復の一途に向かっている。義母は、転倒による背骨の圧迫骨折で介護ベッド生活になった。病気ではない。

老人がベッド生活になると足の筋肉を失う。自分の足で動く事が出来なくなる。これが一般的だ。骨折が治り始めたら直ぐに老健に入居すべきであったが、老健について何も知識がないため入居するタイミングを間違えてしまった感じだ。もっと早く老健に入居してリハビリを受けていたら、今頃は自宅で生活が出来ていたのではないかと思っている。

自宅で介護をしている老人がいるならば、一度、老健に入居させてその効果を体験すべきだろう。100%良くなる。自宅介護は、ベッド生活の健康な老人を死に追いやる。老健に入居させることで家族の負担も相当軽減できる。

12月の中旬には、次の引っ越し先老健を探し始める必要がある。しばらくは、老健を転々として義母の体力を回復させることになる。ある程度自分の足で立てて歩けるようになれば、自宅での生活ではなく有料老人ホームでの生活を助言したいと考えている。91歳の義父では、義母のお世話がもうできないからだ。 要介護5の義母で費用は月額16万円前後だ。