朝日新聞の広告記事や投げ込みチラシを見るとやたらといろいろな保険会社が争うように安さを売りにして生命保険や医療保険の勧誘宣伝をしている。60歳前までの生命保険では死亡保険金額が3000万円であった同じ保険が60歳以降には300万円に下がっている。これは何を意味しているのか?
60歳以降に生命保険や医療保険契約すると確実に損をする。例えば、ライフネット生命保険で60歳、10年間の保険期間、死亡保険金1000万円;10年間の支払い合計金額が1,168,800円になる。70歳になるまでに死亡すればお得な保険になるが、平均寿命が82歳の今、1,168,800円を掛け捨てになる確率が非常に高い。
70歳からまた10年間掛け捨て契約をすると支払い合計金額が3,100,080円になる。平均寿命に達していない年齢であるため、生きている可能性が高い。従って、60歳から80歳まで生命保険を続けると約420万円ぐらいの損が生まれる。
保険会社の商品は確率で会社が儲かるように作られている。還暦を過ぎたら、子どもたちは独立した生活を送っている。残るのは伴侶のみになる。伴侶のための生活費を生命保険に託すのは本当に賢いことなのだろうか。
60歳以降のシニアの生命保険や医療保険は無駄
生命保険や医療保険会社は高齢者層が増える市場をターゲットにした死亡保険支払金額を低く設定したシニア向け保険を提供し始めた。保険の支払金額が低くてお客さんの支払いが高ければそれだけ儲けが出る。掛け金の50%は保険会社の手数料になる。ただ、年齢が上がるに連れて月々の支払金額も急上昇する点を注意。
平均寿命が延びても老人が死亡する確率は高い。保険会社は高額な死亡支払金の支払いを60歳の時点で切っている。私は60歳になった時点ですべての生命保険や医療保険を解約した。既に子供たちは巣立ちして独立している。生命保険をかけ続けても支払金額が割高になり受け取れる死亡保険金が激減する仕組みに納得がいかなかった。医療保険は国民健康保険で対応が十分であると思っている。高額な医療費が発生しても自己負担金には上限がある(8万円が上限)。
60歳過ぎシニアが出来る別の選択肢
生命保険や医療保険にお金を支払うならば、2つのことを私は代わりに行う!
- 月額の保険金支払先を自分の銀行口座にして自分専用の医療保険金積み立てにする(保険会社に50%の手数料を支払う必要がなくなり、すべて自分のためになる)
- 予防医療としてスポーツセンターで筋力運動をする(医療保険金積み立て金をスポーツジムに使う)
仮に60歳で医療保険に入ったとしても病気で入院している間に受け取れる最大保証金は、月額5000円の掛け金で最大30万円になる。手元に30万円あれば、別に医療保険に入る必要はない。もし、病気にならず掛け金を支払い続けるならば、完全に損をするのがわかっている。
ここに秘密がある。保険会社が高齢者向けに安い掛け金で低い補償金を支払う仕組みの保険を争うように宣伝している理由である。
ページ面全体に宣伝しているサービスや商品は必ず裏がある。その裏にある事実をまず理解して判断すべきだ。多くの人は料金だけで判断してしまう。重要な説明内容は非常に小さな文字で新聞の片隅に書かれている。意図的に気が付かれないように書かれている。
うまい話に必ず裏がある
ある日、カーナビ製品の宣伝が朝日新聞朝刊にあった。ポータブルカーナビがたったの1万円という価格で大きく書かれていた。1ページ全体広告で価格を前面に出していた。右隅下に小さい字で詳細説明が書かれていた。そこには、VICS対応なしと書いてあった。
つまり、リアルタイムで道路の混雑状況を受信できないポータブルカーナビ製品なである。VICS対応がないカーナビ製品はカーナビが提供する機能の半分も提供できていない。自動車を運転して事前に混雑状況がわからないと不便。混雑状況がわかれば、迂回して混雑していない道を選択できる。自動車を運転する人はその機能がこのポータルカーナビにあると勝手に思い込んで安さに気を取られる。それが売りての広告目的である。
機能が劣る製品を目に見える形で分かりやすく説明していない過大広告の製品になる。なぜ、1万円なのかをちゃんと説明すれば良いのにといつも感じている。購入者は購入してからその機能がないことに気が付く。詐欺にあった気分になる。生命保険も医療保険も実際に保険請求手続きをするときに思っていた金額と違う金額を告げられて騙された感じになる。
死んだ後の事を考えるよりも今を楽しむために何をするかを考える
生命保険は死んだ後の家族に恩恵が有る。医療保険は高額な医療費対策になる。2つの保険はお金持ちには必要がない。貧乏人だけが対象になる。万が一の出来事が起きる確率は非常に低い。それを理解できない貧乏人を不安にさせて保険に勧誘する。
60歳過ぎのシニアは生きている「今」を楽しむために何をすべきかを考え、お金を使うべきである。老後の楽しむためには健康な体を維持することが一番重要になる。お金と時間は健康維持に使うべきである。
生命保険は死んだ後の事。60歳を過ぎたら無駄になる。医療保険は病気になってから。病気になったら余生を楽しめない。健康維持ができていれば生命保険も医療保険もいらない。
シニアがお金と時間を使うならば予防医療と健康増進に使うべきである。例えば、こんな事を私はやっている。
- 定期的な筋トレ;スポーツジムの会員になって失われて行く筋肉を増やしている
- 年に2回歯科クリニックに通い歯石クリーニングと口内チェックをする
- 70歳になるまで献血をする;4ヶ月に一度の献血で無料の血液検査が出来る
- 人間ドックを年に1回行う
- タンパク質が多い食事をする
- 食事で十分取れない亜鉛、カルシウム、マグネシウムを健康補助サプリメントで取る
老いれば老いるほど体が不自由になる。体が不自由にならないために何をするかを考える。アンチエイジング効果をもたらす生活習慣を身につけることである。最初に挑戦すべきことは定期的な運動である。運動を定期的にすることで老化防止ホルモンが分泌される。
老化防止ホルモンは副腎から分泌され、男性ホルモン(テストステロン)と女性ホルモン(エストロゲン)になる。筋トレを続けると男性ホルモンであるテストステロンが増える。その意味合いで私は週2回ゴールドジムに通っている。月額7700円費用が発生するが、健康維持と増進に効果があることが分かっているので安いと思っている。
結論
60年以上生きてきた人間ならば、普通以上に魅力的なサービスや製品の誇大広告を疑う事を学んでほしい。ビジネスは騙しの世界の入り口あたりでいつも展開されている。生命保険と医療保険はシニアにとって無用の長物である。お金と時間は健康維持に使うべきである。