痩せて行く高齢者の体と体重を回復させるには

私の義母は、86歳。老健施設でリハビリ生活を送っている。老健施設に入居した理由は、自宅で介護する事が無理であったからだ。日増しに枯れて行く状況を目にしていた。老健施設に入居した時の健康診断で体重が32キロしかなかった。健康時の彼女の体重は45キロ前後である。血液検査で低栄養状態にあるという結果が出た。

老健施設に入居して1年が経過した。体重は、42キロ前後まで回復した。後は、足腰の筋肉を強化するだけの状態になっている。年齢相応の軽い認知症はあるが、老健施設では普通のおばあちゃんとして生活が送れている。手がかからないという事だ。

なぜ、老健施設に入居したら低栄養状態から健康な体になったのか? 

70歳、80歳代の老人を見ると痩せている人が多いが、体重を増やすには何が必要か?

自宅での食生活は、酷かった。介護ベッドの上で寝てばかりの生活が続いていた。食事を用意しても一口ぐらいで終わってしまう。低栄養状態の体になるのは当然だった。自宅であると家族に甘えてしまいがちだ。介護する家族も食事を強いる事が出来ない。ケアマネジャーから老健施設に入居してはと言う助言があり、幸運にも直ぐに近くの老健施設に入居できた。

老健施設では、低栄養状態を改善させるための食事療法がおこなわれた。

タンパク質の多い栄養バランスが良い食事をする

元気で普通の生活が出来ている70歳、80歳代の老人は一般的に体が枯れて行くように細い人を多く見かける。当然、個人差はあるが筋肉を失い体全体の印象が弱々しい。60歳から毎年筋肉が急激に減り始める。70歳、80歳代になると体を活発に動かす生活が少なくなる。体を動かすことが少なくなると消費カロリーも減少する。

消費カロリーが減ってくると食欲も減ってくる。肉や魚などよりも粗食を求め始める。人間は、食べる事で生きて行くためのエネルギーを補充する。食べる量が少なくなるとそれだけ生命エネルギーを取り入れられなくなる。筋肉や脂肪は、生命エネルギーの予備タンクだ。粗食の生活が続くと体の筋肉や脂肪が消費される。体は枯れて行く。

知らないうちに低栄養状態になっている。体が細く成り始めたと気が付いた老人は、血液検査で低栄養状態になったいないかをチェックすべきだ。同時に今の食生活を分析して粗食になっていないかを確認する事だ。細くなってきた体に筋肉と脂肪を回復させるには、タンパク質が多い肉や魚、そして、栄養バランスが良い料理を食べる必要がある。

食欲が無いから食べられないという老人が多いが、食欲を増やす事を考え、食事の量を増やす事だ。

食事の回数を増やす

私たちは、1日3回朝昼晩の食事時間を持つ。1回の食事の量が少ない老人は、食事の回数を3回から6回に増やす事だ。

  1. 朝食
  2. 朝の間食
  3. 昼食
  4. 昼の間食
  5. 夕食
  6. 夜の間食 

6回の食事で食べる量は、 少なくてもカロリーが高い食べ物にすれば良い。1日3回は必ず肉や魚のようなタンパク質が多い食べ物を口に入れる事だ。食べているだけでは、筋肉は付いてこない。筋肉を増やす運動を心掛ける必要がある。

運動習慣を身に付ける

毎日自宅を出て外の空気と刺激を求める。私が利用している地区のスポーツセンターには平日の朝は70歳、80歳代の老人たちが大勢やってくる。健康体操教室、太極拳教室、軽い筋トレ教室、エアロビクス教室、腰痛体操教室など老人向けの運動教室が開かれている。1時間ぐらい運動して汗が出す。当然、エネルギーが消費される。

健康教室に参加した老人たちは、知り合いどうして近くのレストランに向かう。おしゃべりをしながら空いたお腹を満たす。友人たちとおしゃべりをしながら食べる食事は自然と多くなる。知らないうちに消費カロリーが増えて行く。

午後は、疲れた体を回復させるために一度自宅に帰り昼寝をする。午後3時頃にお茶とお菓子を食べる間食タイムを持つ。夕食前に20分から30分ぐらいの散歩に出かける。ドリンクを持って。夕食前の散歩は、食欲を増す。こんな運動習慣を身に付けるだけで枯れて行く体を元の体に回復させる事が出来る。

 タンパク質が多い栄養バランスが取れた食事と運動習慣がキーである。

 老健施設でリハビリをしている義母の生活は、基本的に同じだ。栄養バランスが良い食事とリハビリ運動だ。

この記事「痩せて行く高齢者の体と体重を回復させるには」のポイントは、 

  • なぜ、老健施設に入居したら低栄養状態から健康な体になったのか? 
  • 老健施設では、低栄養状態を改善させるための食事療法がおこなわれた。
  • タンパク質が多い栄養バランスが取れた食事と運動習慣がキーである。