団塊世代のシニア(65歳から69歳)の人口が1024万人。60歳から64歳までのシニアが808万人いる。60歳から69歳のシニアは、体力的にも精神的にも働こうと思えば十分働ける身体を持っている。現実は、自分で職探しをして今まで築いたスキルや知識を会社に売り込まなければならないことだ。雇用する会社に利益をもたらす能力があることを経営者に信じ込ませないと社会で働けない。
少子高齢化で働く人間が少なくなっている。60歳から69歳までのシニア(1830万人)で雇用されていない、働きたくても職を見つけられない人たちがどう活かされるかで日本のシニア社会は変わる。
シニアが求める仕事場は自分の存在を活かせる「職場」
私が企業に再就職するならば、こんな条件がある会社に応募するだろう。
- 週3日の労働、または、それ以上の労働日数を自由に選択できること
- 午前、午後、夜の選択が出来る事
- 自主的に働ける組織管理制度がある事
- 定年は自分で決められる事、または、定年退職がない事
- シニアの体力を考慮した労働環境がある事
一度定年退職をしたシニア、または、リストラにあったシニアは、普通の会社員と同じワークライフを嫌がる。今まで何十年と組織の歯車として監視されてきた。昔味わった精神的なストレスを避けたいと思っている。お金を稼ぐという価値観が薄れているシニアが多い。お金で自分の自由を縛られたくない。
優秀なシニアであればあるほど、自主的に働ける労働環境を求める。そんなシニアの数は少ないかもしれないが、前向きなシニアは自主的に自分のスキルを活かす仕事を求める。そんな仕事が与えられれば、頂く給与の額はあまり気にしない。やりがいのある仕事、自分の経験が生きる仕事に価値を見出す。
シニアの労働者を年齢で差別する会社は、お断り!人の手さえあればOKという会社もお断りだ。シニアにも適材適所がある。
シニアが喜ぶ餌を会社は用意する必要がある。シニア労働者が喜ぶ餌とは、自分の存在を活かせる「職場」を提供することだ。スキルを持ったシニアは、そのスキルを使える場所を探している。未経験で若いだけの労働者とは違って自分が自主的に動ける場があれば即戦力になる。
新潟の中小企業が、社員を募集した。募集条件は、60歳以上の高齢者で元気な人。それだけだった。 60歳以上で元気なシニアであれば仕事があるということだ。地方の中小企業ならば、若い人たちを募集するのだが・・・。あっという間に22人のシニアが集まった。
この会社の仕事は、畑で育てた芋を洗う仕事であった。月額7万円弱の給与だそうだ。労働は午前中だけ。応募して雇用された高齢者は、毎日の仕事を喜んでやっていると言う。田舎は都会ほど高齢者向けの仕事がないからだ。この会社の仕事は田舎の高齢者の居場所を与えている。
力が余っている高齢者が居るのにその力を生かせないで遊んでいる人たちであった。彼らは、お金のために働いていない。まだ自分たちは社会のためにお役に立てるという価値観を味わいたいためだ。
若い人たちと違ってお金では釣れないシニアが居ることを認識してほしい。