毎年7月の下旬から8月末まで地域の何処かで夏の風物詩が見られる。「夏祭り」だ。横浜は東京と違って地元での夏祭りが地区ごとに開催される。先週の土曜と日曜日も私が住む地区で夏祭りが開催されていた。子供たちが夏休みに入り、その矢先の夏祭りだ。子供たちは大喜び!
「夏祭り」は、離れ離れになって生活している親戚、知人、友人、恋人を呼び込む魅力がある。「夏祭り」が地元であるから、来ないかい?と気楽に誘えるからだ。
非日常を体験して新規に交流を深める「夏祭り」
日常生活で会えない住民とコミュニケーションが出来るのは、非日常の世界が作られた「夏祭り」の時だけかもしれない。夏の風物詩は、「夏祭り」。何とも言えない魅力がある。
シニアにとっても夏祭りは自分たちの子供の頃を思い出させる。夏祭りの騒ぎの中でノスタルジーに浸ることが出来る。祭りでは、性別、年齢に関係なくはしゃぐことが許される。日常生活で大声を出してストレスを発散できないシニアは、この時に大声で騒げる。
夏祭りの中に非日常がある
8月31日(土曜日)に私が住む大規模集合住宅で「夏祭り」が開催される。この行事は、自治会の最大のイベントになる。近くの中学のブラスバンドを招待して午後16時頃から始まる。住民の有志が屋台を出す。既に屋台の歴代運営チームが出来上がっているため、運営する上で問題がない。
焼きそば、焼鳥、わたあめ、ビールやソフトドリンク、たこ焼き、お好み焼き、フランクフルトの屋台などが近くの公園に登場する。食べ物の価格は、自治会の予算補助で格安になっている。いつも、集合住宅以外の住民たちが大勢やってくる。
大人たちは、生ビール片手に焼き鳥を食べる。若者たちは、小中学校時代の同級生と再会してお互いに情報交換をしている。盆踊りの音楽やカラオケの歌で盛り上がる。この日ばかりは、子供たちは夜外ではしゃぎ回れる。
中学生、高校生、大学生の女の子は浴衣姿だ。カップルも多い。好きな彼女の浴衣姿を見たいために友達と一緒にやってきている若者もいる。「夏祭り」は非日常の時間を作り出す。
いつも顔を合わせることがない人たちと出会う
自宅にこもり気味のシニアたちにとって夏祭りは、自宅から外に出やすい雰囲気を作る。大勢の人たちの中に入っても違和感を感じないで祭りを楽しめる。ビールを片手に飲みながら周りを見渡せば、しばらく会っていなかった人たちの顔を見かける。
ビールの勢いで近づきながら話しかける。共通の話題は、夏祭りから始まる。その後には、「最近、顔を見ていなかったけれど、何をしていた?」と聞き込む。お互いの近況報告である。外で出会いながら会話が出来るのは、夏祭りぐらいだ。
夏祭りでの会話から来週どこそこに行かないかというお誘いに発展する。遊び仲間が生まれる。ちょっとしたきっかけで自宅から外に出ることが出来る。
若い人たちの浴衣姿と子どもたちのはしゃぎから元気をもらう
還暦を過ぎれば、誰もが老人と言われる。若い人から見れば、60歳以上の人はすべて老人に分類される。老人が子供や若い人たちと一緒にいられるのは、地元で開催される夏祭りぐらいではないか。夏祭りで浴衣姿がよく似合う若者が増える。若者たちにとって浴衣を着る機会は夏祭りと花火大会のときのデートぐらいだろう。
若い人たちの浴衣姿を見て楽しめるのは、この時しか無い。日常生活で若い人たちを見かけるのが少なくなっているからだ。子どもたちは、夏祭りというイベントの雰囲気に飲まれてはしゃぎまわる。そんな情景を見ることで老人たちは、子供の頃の自分の姿を思い出す。
若い人たちと子供を身近に見ながら彼らから若さをもらう。
結論:
夏祭りになるいつも会えない人たちとお祭りで会える。隣人、若者、子供たちだ。家族で夏祭りにやってくるから知り合いの家族の成長が分かる。子供からあっという間に大学生に成長した隣人の娘。子供の頃の面影がないほど美人になっている。
シニアにとって近所の人たちと顔を合わせる良い口実が夏祭りで出来上がる。非日常の体験としての夏祭りは、いつも顔を合わすことがない人たちとの新しい出会いを作り出してくれる。夏祭りがある日は、何も考えずにビールを片手に夏祭りに出かける。それだけで新しい刺激が吹き込んでくる。