何が私の起業を精神的に支え続けているのか?

私は、こんな言葉で生きている。

「夢を目指して
 自信を持って歩いてごらん
 貴方が憧れていた生活を始めるのだ」

こんな生活をしたいという「夢」があるとそれが人生の目標になる。この言葉は、会社を退職して起業した時に背中を後押ししてくれた言葉だ。51歳の時だった。もう、後戻りはできない。前に進んで憧れていた生活を始めるしかなかった。人生の背水の陣で自分の「夢」を目指した。

未経験での起業は勇気がいる

会社員であったシニアが起業をする時、起業を成功させるには「起業」とはどんな事かを肌で体験する事が一番良い。そのために起業する前に副業を自分でやって見る事である。お金を稼ぐという目的ではなく、自分に欠けているスキルや知識、営業力を見極めるためである。

一度起業するとその時点から運転資金を消費する。運転資金が無くなる前までに売り上げを上げ続けられないと倒産する。そんな失敗を避けるために副業は良い練習になる。

起業の思いと現実は簡単に同期しない!

自分が描いたビジネスモデルで売り上げが経つと予想してもお客さんを見つけられず売り上げゼロの月が何か月も続く場合が多い。強い起業の思いが現実のビジネスにつながらない。未経験なためビジネスプランに欠陥があるからだ。やって見ないと分からないという理由がここにある。

起業の思いと現実を出来る限り近づけるには、起業する前にビジネスモデルをいくつかテストマーケティングする必要がある。考えたビジネスモデルでお客が見つかるのか、お金を支払うほど価値があると思ってくれるのか、どこに潜在顧客がいるのかなど。

起業する時に直ぐに会社設立をするシニアが多いがお勧めではない。私は、個人事業主として考えたビジネスが上手く市場で受けられるかどうかをテストすべきであると思う。会社設立で数十万円、会社整理で数十万円。必要でない所に要らないお金が発生するリスクが会社設立にある。

個人事業主は1枚の申請書で無料である。

ビジネスは釣りと似ている

大きな魚を何度も釣り落としている。時には一匹も釣れない日も続く。予想と期待が簡単に外れる。頭で思ったことがそのまま現実にならない。いつも、予測を裏切る現実が訪れる場合が多い。魚が釣れると思い、竿を上げても空振りに終わる。そんな経験を何度もする。 

大きな客船の中で一等航海士や二等航海士として働くのではなく、小さいな船で船長として魚を釣る。自分の判断で自分の人生を決めて行く。そんな生活に憧れていた。大きな組織の一員になると一人でやって行く自信が無くなる。いつも、上司がいて部下がいる。群衆の中にいると安全と安心を感じられるからだ。

一生に一度は、勇気を出してやりたい事をやって見たいと思うのが自然だ。人生は一度限り。起業する機会がある時にやらないと二度とチャンスはやってこない。組織と言う安全と安心が定年退職やリストラで失うと残るものは、自分しかない。

子供は親を頼るが、大人は自分自身に頼るしかない。それが現実である。そんな時に心の支えになってくれた言葉が冒頭の言葉である。

「夢を目指して
 自信を持って歩いてごらん
 貴方が憧れていた生活を始めるのだ」

起業は自分で会社組織の安全と安心を捨てる事

起業する人は勇気がいる。特に会社を定年退職するシニアやリストラにあった中高年の会社員にとっては勇気がいる。何十年も会社と言う組織の中で生活の安全と安心を味わって来たので一人で始める起業は安心と安全が無い。あるのは、強い起業への思いである。

会社組織の安全と安心を捨てる事が出来ない人は、起業には向かない。何事も背水の陣で望まないと途中で逃げ道を探してしまう。シニア起業は、その点、逃げ道が無い。会社を卒業して始めるからだ。未知の世界に勇気をもって足を一歩入れるしか選択肢が無いからである。

若い起業家は、途中で安全な会社に再就職が出来る年齢である。また準備をして再起業する時間がある。

結論:

起業して13年経過してもまだ自信を持って歩いているとは言えない。将来への不安は尽きないし、後戻りできる道もない。前に広がっている未開拓の市場を自分なりに開拓するしか生きる道が無い。

13年経って一つだけ自信を持てた事がある。13年間なんとか自分の手足で生活を維持してきたことだ。一人の経営者としてビジネスを作り、維持して、新しいビジネスを展開している。ここまで出来たのは幸運としか言いようがない。見えない所で色々な方に助けられていると思っている。

不安な毎日なのだが、憧れていた生活を始めると安全と安心は、自然とついてくる。何かに没頭しながら、お金の稼ぎ方を探し続けると神様がそのヒントを道端に置いて行ってくれる。一人で自信を持って歩きたいのだが及び腰で歩きながら次第に自信も少しづつ付いてくる。 

起業は、子供が自転車に乗るような感じである。何度も転びながら自転車に乗るコツを体で覚える。頭で考えて結論を出すのではなく、自分の体で経験する事が起業の第一歩である。何事もやって見ないと分からない現実がある。