90歳になる義父の姿を長男の披露宴で見て

90歳になる家内の父親と母親が長男の結婚式と披露宴に出席した。父親の方は、老齢のため聴力が衰えて、老人性難聴で、まわりで話されている事がよく理解できていないらしい。二人共足の筋肉が衰えて歩くのが遅くなっている。

90歳の父親の目に若者の結婚式や披露宴がどのように写っているのだろうか?

私が長生きして3世代先の孫達の結婚式や披露宴に参加する立場になったら、結婚式はともかく披露宴は今と変わっているだろう。私達の世代と長男の披露宴でも相当違いがある。私達の世代の披露宴は、昔ながらの儀式的なお披露目色が強い。何か特別なイベントや模様おしを披露宴の中で行うような企画はなかった。

会社や親戚、知人、友人などからの挨拶や電報の読み上げ、友人や親戚の余興などで食事をしながら親戚や友人たちとの親交を深めるような披露宴であった。

現代は、デジタル機器を使ったスライドショーで新郎新婦の生い立ちを紹介する。90歳の老夫婦にとっては、自分たちの披露宴とは相当違った景色が見えていたのではないだろうか。 

私たち夫婦が結婚して33年が経った。長男夫婦に子供が来年できてもその子供が成人し結婚するまで少なくとも25年以上かかるかもしれない。今、61歳の私は、80歳後半だ。それまで生きていたいが、神のみぞ知るだ。仮に生きていてその子供の披露宴を眺めたら、今回の披露宴とはまた違った世界が見えていることだろう。

披露宴は、A.I.とロボットの支援を受けて3Dのホログラムを使った演出が見られるかもしれない。世界も今以上に狭くなり、リモートで披露宴に参加する人たちが大勢出てくるだろう。実際の披露宴で食事をしながら楽しむ人達は親族のみで親族以外は、リモートで参加するなんてことも可能になる。ホログラムアバターであたかもその場に参加しているかのように見える。 

今の世界は、実在の世界と架空の世界がはっきり分かれている。20数年後の世界は、実在と架空の世界の境目がなくなる。参加できる人数も格段に広がる。費用面で人数に制約がなくなるだろう。実際に披露宴に参加する人数が少なくなり、ホログラムアバターとして参加得する来賓、友人、知人、会社の上司、先輩、同僚、近所に人たちなどがリモート参加する人数が多くなる。 

3世代の違いは、技術革新の影響で大幅に増強される。 

老人性難聴という老化現象も20数年後には、何らかの治療が生まれて難聴を改善できるかもしれない。そうなれば、90歳の老人でも今何が行われてい話されているかが分かるようになる。

まだ生まれてもいない孫の結婚式や披露宴を事を想像するのは、面白い。大きな変化が今起きているから余計に面白い。リモートワーキングがこれから一般的になるだろう。メール、SNSチャットやテレビ会議でのコミュニケーションから3Dホログラムアバターでの会議に変わるだろう。場所によるコミュニケーションの制約がなくなる。A.I.とロボットによる社会構造の異変で人間の行動も働き方もよりクリエイティブな方向に向かうだろう。 

A.I.とロボットによる披露宴の演出が当たり前になり、新郎新婦は自分たちの過去のデジタルデータをA.I.に提供するだけで自分たちにあった披露宴の演出を作ってくれるだろう。人間の介在は極力なくなる。

私達の想像を超える結婚式や披露宴の様式が生まれてきているかもしれない。90歳の父親が長男の披露宴を見て自分たち世代の披露宴と比較して、その違いに驚くのと同じだろう。