幸福の香水を周りの人達に振りかける

"Happiness is a perfume you can not pour on others without getting a few drops on yourself."

幸福は香水のごときものである。人に振りかけると自分に必ずかかる。

米国の思想家・詩人のラルフ・ウォルドー・エマーソン(Ralph Waldo Emerson)の言葉である。私はこの言葉が大好きだ。

幸福は香水のごときモノ

良い匂いの香水を持っているならば、先にあなたの友人知人に振りかけて見ると良い。きっと気に入ってくれる。そして、あなたを見て微笑んでくれる。幸福の香水は、あなたに微笑みを与えてくれるのだ。

香水をかけるときに必ず自分にもかかる。良い匂いが自分からも出てくる。自分の幸せを求める前に他人の幸せを与える。「利他の心」である。 

私はこの言葉が好きなのだが、中々、その言葉を実践できないでいる。利己心が強いのだ。現状に満足していないため、他人より先に自分のニーズを満たそうとする。多分、私のような人が普通なのだと思う。他人を優先して幸せにしてあげる行為は勇気がいる。見返りを求めない行為は、自分自身に何らかの余裕がないとできない

母親が赤ちゃんに与える愛情と同じだ。自分の子供だからそれができる。そうでなければ、愛情を注ぐ理由がない。キリストは汝の敵を愛せと説いている。まさに、幸福の香水を他人にかけろと言っている。 

人生の終盤戦に向かっている私たち高齢者は、幸福の香水を他人にかける事が出来るのだろうか。 

老後破産をする老人たちに裕福なシニアが幸福の香水をかける事が出来るだろうか。自業自得と言って無関心を装うかもしれない。老後破産は色々な理由で発生する。必ずしも本人の過去の行為から起きるとは限らない。もらい事故もある。 

自分が持っている「幸福の香水」は何であるかを自覚しよう。 

幸福の香水は、お金ではないと思う。誰かのために自分が出来る事が幸福の香水であると思う。見知らぬ人に対する施しもそうかもしれない。米国のニューヨーク市で有名なヘアーデザイナーが週末に無料でホームレスの住民に対しヘアーカットをしてあげていることがニュースになっていた。これも幸福の香水を他人に振りかけている行為だ。 

私が他人に出来る事は何なんだろうか。いつも、自問自答してしまう。 

困っている人が見えていてその問題を自分の力で何とかできるという感覚が生まれれば幸福の香水を他人に振りかける事が出来るのではないか。そう感じる。 

他人を助けるのはモノやお金ではないのだろう。お金持ちだけが困っている人を助けられるとは思えないと同じだ。お金がなくても一緒になって解決案を考えてあげる、話し相手になってあげる、苦しみを共有してあげる。

自分自身が困っている事は他人も同様に困っている事だと思う。老後の生活に経済的な不安を抱いているのは、私だけではないだろう。経済的な不安は、年老いてくるとお金を稼げなくなる体になるからだ。体が衰えてもお金を稼げる方法を教えてあげれば助かる人がいるかもしれないが、教えても出来ない人はどうしても生まれる。成功した人と同じことをやっても同じ結果が生まれないのと同じだ。

幸福の香水は、振りかける相手とタイミング次第で自分でもできるのかもしれない。