私が住む集合住宅で老人の自殺があったと聞いた。8階から自分のベランダから飛び降りたという。何歳ぐらいの老人か詳しく知らない。まさか、私が住む集合住宅で自殺が起きるなんて!と驚いている。
高齢者の自殺は、増えてきているのではないか。65歳以上の人口が四分の1から三分の1に向かっている。肉体的にも精神的にも社会での孤立感でも老人は弱者になっていく。
最近のニュースで孤独死が話題になっている。孤独死は年齢に関係なく起きているが、目立つのが中高年である。なにかに向かって生きている人は自殺なんて考えることもない。生きる目的が見えている人であれば、自殺はありえない。
目次
老人が自殺する理由は何か?
大学生の時、社会学の学科で印象に残ったことを覚えている。自殺は春になる前の3月頃が多い。自殺は、どちらかの伴侶が他界した時に多い。そんなことを覚えている。老人の自殺は、色々な理由があると思う。老人の入り口に立っている私が思うのは、こんな事だ。
老人を自殺に追い込む推定原因:
孤独
孤独からうつ病になり社会から自分の世界にとじ込んでしまう。老人の生活は、気楽な生活ではない。一緒に生活する伴侶が他界すれば、何のために生きているのか分からなくなる。人生を楽しむ自分の世界がないと不安定な精神状態で余った時間の使い方に困る。人間は老人になると一人で生活をする機会が増える。会話の無い世界、いつも一人でいる生活、一人で生活を楽しむにはライフワークがないと時間を使いきれない。人間は一人では生活できない。孤独死が増える。
病気からくる絶望感
重い持病を患いながら生活している老人は、病気による生活の制約がある。家族と一緒に生活をしてれば、家族への負担を気にする。自分が生きていると家族への負担が長引くという考えが頭によぎる。持病を友達にして残りの人生を楽しむ気構えがないと病気によるストレスで絶望感が生まれてくる。私も緑内障と言う持病を持っている。命が先に尽きるか、緑内障で失明するかのどちらかだ。視野を失う事への恐怖を今から感じている。
生活苦からくる将来への不安
年金だけでは生活が出来ない老人世帯が増えてきているという。生活保護世帯の50%が65歳以上の高齢者世帯でそのうちの90%以上が高齢者単身世帯(参 考 資 料 - 厚生労働省)である。国民年金(満額で約6万6000円)では、生活が出来ないのは誰でもわかる。働ける体と仕事があれば、その収入で生活を維持する事が出来るが多くの老人はその境遇になっていない。頼りになる身寄りもいなければ、将来の自分の老後生活に絶望という文字が見え始める。生活保護は年金を受給していながら受けられる。支給される生活保護費は、生活保護費から年金受給額を引いた金額になる。その場合、資産になるものをすべて処分し生活保護費内での生活をしなければならない。老人が生活保護費で長生きする人生に生き甲斐を感じるだろうか。
家族に支えられた老後生活は理想であるが、支える家族も大変である。2世帯住宅、3世帯住宅などがこれから増えてくれば老夫婦を支える家族の数を増やして負担を分担できる。昔ながらの日本の家族構成が今求められるのではないか。私自身、出来れば2世帯で一緒に生活をしたいと思っている。
長男家族はすでに3人の子供がいる。自分たちの生活だけで頭がいっぱいだろう。私たち夫婦もまだシニアの入り口の年齢だ。まだ、老人ではない。この先10年、20年を考えると長男夫婦との同居生活も話題に上げなければならないだろう。死ぬときは自宅で死にたい。自分で死を迎えるのではなく、神のお呼びで死にたい。それが自然だ。自然の法則に従って他界したい。
AIに老人の自殺理由を聞いてみたら、こんな回答があった。
高齢者の自殺には、複数の要因が複雑に絡み合っている。特に多いとされる主な要因は以下の通りだ。
健康問題
厚生労働省の資料によると、高齢者の自殺の動機の約7割は「健康問題」が占めている。
- 身体的な苦痛: 高血圧症、糖尿病、脳梗塞の後遺症、関節痛など、慢性的な身体の病気による苦痛が大きな要因となる。
- うつ病: 高齢者の自殺者の多くがうつ病を患っていたとされている。身体的な苦痛がうつ病の引き金になることもある。
家庭問題と社会的孤立
高齢者の自殺者の多くが家族と同居していたというデータもあるが、家族に「迷惑をかけたくない」という思いが強くなることがある。
- 喪失感: 配偶者や子ども、兄弟など近親者との死別は、強い喪失感と孤独感につながる。
- 孤立: 家族と同居していても、心理的に孤立している場合がある。また、一人暮らしの場合、孤独感が自殺のリスクを高める要因となる。
経済・生活問題
経済的な困窮や生活苦も自殺の大きな原因だ。特に、中高年の自殺原因として多く見られるが、高齢者にとっても深刻な問題となる。
これらの要因は単独で存在するのではなく、複合的に絡み合って自殺につながることが多いと考えられている。
結論
長い人生の中で一人になるときが必ずやってくる。長生きをすれば幸せかと問えば、答えは必ずしも幸せというわけではない。義父は96歳で他界した。彼曰く、この歳になると友人たちが先にこの世を去ってしまう。自分一人だけ。老化で体が不自由になり、好きなゴルフもできなくなり毎日自宅でテレビを見るだけ。そんな生活に嫌気を感じると。
老後は自分の健康との戦いになる。健康で生きがいがある何かをしていないと暇と孤独で悩むことになる。それが続くとこの世にいる理由を問い始める。自殺はそんなときにやってくる。死ぬ時は家族に看取られて死にたいと思うのは私だけではない。でも、その家族がいないシニアは孤独死しかない。
老いると世捨て人になる。自宅を出て歩き回ることがなくなれば、誰もその老人の存在がわからない。地域との関連がない老人は陸の孤島に住んでいる。自分の死に方はじさついがいにえらぶk