妻が期待する老後の主人像

大日本除虫菊株式会社のCMのコピーから広がった言葉「亭主元気で留守が良い」が現実化している。還暦を過ぎて自分でビジネスをしていると家内は自宅で仕事をする私を無理やり外で仕事をするようにクレームする。帰ってくる時間も指定される。いつも、夜の19時以降という門限がある。19時までに帰って来い!ではなく、帰ってくるなだ!

まさに「亭主元気で留守が良い」がこの11年間続いている。

長年の会社員生活で自分の生活リズムを築いた妻

会社員である夫は午前9時から午後17時まで会社に行っていて自宅には居ない。そんな生活が何十年と続けば、奥様族の生活リズムは夫たちが定年退職しても変わらない。変わらせるのは、夫の生活スタイルだ。会社員と同じ生活リズムを妻に与え続ける生活を強いてくる。

仕事がない夫は、いかにもどこかの会社に転職したようなスーツ姿で遠くのカフェに出勤させられる。自宅へは、出来るだけ夜遅く帰らせる。世間体を気にして夫を昼間に帰らせない。テレビドラマに出てくるような生活が現実に起きている。

妻たちは、主人に外出して自宅を留守にしてほしいと願っている。出来れば、働いてお金を稼いで来てほしいと思っている。世間からお宅のご主人は一体何をやっている人?と聞かれないためだ。地元にネットワークを築いている妻たちは、お互いの世間体を気にする。

あのご主人、昼間からこの辺りをブラブラしているわよ!と知人の奥さんたちに噂されたくない。

幸運にも私の仕事は、インターネットの職人であるためお好みのカフェで仕事が出来る。自宅で仕事をするよりは、カフェで仕事をしたほうが気が楽だ。その意味合いで家内の願いを実現している。

ただ、

私は、願わくば夜の18時頃帰宅したい!妻は、19時以降という時間制限をかけてくる。いつも、妻の言う通りの時間帯に帰ってくるのではない。色々な理由をつけて18時頃帰って来るときもある。この辺りは、妻との戦いの前線になる。大規模集合住宅に住むと妻の友達が他のご主人たちの行動を見ている。妻がいない時に私が自宅に早く帰ってくるとその情報が後で妻から私に伝えられる。

妻たちは、スパイ活動をしているのだ。お互いの主人たちの行動を相互協力で見張っている。壁に耳あり、障子に目ありの生活が続いている。