若い家族にとって都会(東京23区)は刺激があって便利な場所である。給与が良ければ、不自由な生活はない。便利さは、若い家族だけでなく郊外に移り住んでいた老夫婦も魅力的に感じている。利便性を求めて一軒家を売り、都会のマンションの一室に移り住む老夫婦が増えている。
若い家族にとって都会は仕事がある場所だ。子供を育てる場所としては、都会は魅力にかける。幼い子供を思いっきり大自然の中で遊ばせてあげたいと思うのは私だけではないのではないか。
私は、静岡県の田舎で育った。小学校時代は学校を終えると宿題をしないでランドセルを投げ出し釣り道具を持って近くの川にフナ釣りに出かけていた。自宅の周りは田んぼだ。田植えの時期は、田んぼでオタマジャクシ、カエル、小魚が遊んでいる。
飼っていたペットの犬ケンは、いつも、放し飼い。私の川釣りについてくる。こんな子供の頃のような生活は、都会では出来ない。祖父母が住む田舎があれば、孫達は自然に思い切り触れられる生活が出来る。遊びまわるスペースはあまり余っている。どんなに大声で叫んでも誰も叱らない。朝は、目覚まし時計ではなく蝉の鳴き声で目が覚める。
祖父母が住む田舎に「孫ターン移住」
高度成長期に仕事を求めて都会に出ていった世代の子どもたちが、親とは別に、祖父母のいる地方に移住する。こうした現象を「孫ターン」と呼ぶのは、移住希望者への各種相談や情報提供を行うNPO法人、ふるさと回帰支援センター(東京)副事務局長の嵩和雄さんだ。(引用先:ふるさと回帰支援センター)
孫が両親の故郷に移住する「孫ターン」は、あり得る話だ。田舎が故郷である両親は、自分の子供達を田舎の両親のもとに顔を見せに連れて行く。お盆休みや正月休みだ。孫達は、都会と違った自然豊かな環境に強い印象を持つ。都会でできなかったことが田舎で許され、見たことがない昆虫や生き物たちを発見する。新しい発見と驚きは、孫達の脳裏に刻み込まれ、またここに帰ってきたいと思わせる。
祖父母が住む田舎に移住するメリット
祖父母が住む田舎に移住するメリットは、その地域の住民に異端視されないことだ。誰々さんのお孫さん家族だというラベルで自然にローカルに溶け込める。後は、その田舎近辺で仕事さえ見つかれば何も問題はない。幼い子供たちが自然に思いっきり触れ合う環境は、「自然の中で生きている人間」という事実を植え付ける。
自然の不思議が都会と違って肌で感じ取れる。
若い家族が田舎に移り住み始めると田舎に新しい文化が生まれる。都会にあって、田舎にないものが生まれる。若い人たちが洒落たカフェで一服する場所がないから洒落たカフェを始める。田舎にないものを見つけてそれを作り出す若い人たちの動きだ。
地方の活性化は、都会の若者たち、若い家族が移り住むことで生まれてくる感じがする。
「都会にあって、田舎にないもの」を移り住んだ若い家族たちが作り出せれば、田舎に若者カルチャーが生まれる。これがキーだ。若い家族を地方に呼び込む時に祖父母の力を上手く利用できれば良い。
田舎の魅力・・・安い土地と安い生活費、そして、食べるものに困らない生活
私にとって田舎の魅力は、安い土地と安い生活費だ。子供がいる家族は広い家があるとのびのび出来る。新鮮な野菜、魚、牛乳、肉などが格安に手に入る。田舎にその土地特有の地の利がある。静岡県の田舎に実家がある。港に近く、桜えびやしらすが凄く安く、新鮮だ。実家の庭には、野菜が植えられている。食べきれないほどのきゅうり、トマト、ナス、スイカなどが取れる。
田舎では、食べるもので困らない。お金を払わなくても近所の隣人たちが余った食材を分けてくれる。お互いに自分の庭で育てた野菜や果物を物々交換しているのだ。都会では、スーパーマーケットで食べ物を買わねばならない。田舎では自給自足ができるだけでなく物々交換が出来る。お金を使わなくても食べ物が手に入る環境がある。
実家に墓参りする度にしらす、桜えび、夏みかん、ナス、きゅうり、ネギなどをもらって帰っている。都会ではありえない。
結論
自然の恵みが子供たちを包み込む。田舎の生活は、都会独自の生活のルールがない。外で遊ぶ場所がなかったり、限定されたりしない。私の子供の頃は、田んぼの中で遊び回る生活であった。仕事さえ田舎で見つかれば、田舎の生活は経済的に楽である。子供を育てる自然環境が魅力である。
祖父母が生活している田舎への孫ターン移住は時代と逆行するかもしれないがインターネットのおかげで田舎に足りないことやモノが手に入りやすくなっている。