老化による筋肉の衰えを防ぐにはどうするのか?

シニアが定期的に筋肉トレーニングをやり始めると健康寿命を伸ばす効果がある。当たり前といえば当たり前のことだが。運動を定期的にすることで食欲が出てくる。血液の流れも良くなる。心肺機能強化にもなる。少しでも運動ができる健康と身体があるシニアならば、定期的な筋トレは100%プラス効果を期待できる。

敬老の日にNHKテレビニュースで100歳の老人女性のことを報道していた。この女性は、毎日自宅の階段を上がったり下ったりして足の筋肉を鍛えているそうだ。足の筋肉は第2の心臓であるから活発に動かすことで血液の流れを良くする。

シニアの筋肉は使わないと急激に衰えて回復に時間がかかる!

足を骨折してベッド生活を送るようになった若者と老人では、使われていない足の筋肉の回復に違いが生まれる。若者の体は、新陳代謝が激しくちょっとした運動を続けるだけで元の筋肉量まで戻りやすい。

一方で老人の筋肉は、若者と同じ運動量をこなしても元の筋肉量まで戻り憎い。新陳代謝が遅いことと筋肉を作るタンパク質などの栄養素の吸収力が低いからだ。そのため、同じ運動量では失った筋肉を早く元に回復できない。

シニアが筋トレを始めると無理が出来ないために筋肉痛が発生するまで筋肉を鍛えるレベルまで行かない場合がある。筋肉痛は、新しい筋肉繊維を作り出すための産みの苦しみである。これがない筋トレは、筋肉を成長させたり、強化したりする上であまり効果がない。

老化による筋肉の衰えは、使っていない筋肉から自然発生してくる。

引退生活を送っているシニアは、全般的に体を動かす活動が少なくなる。日常生活範囲でしか体を動かさない。特別に運動をし続けていないならば、体の筋力は日常生活に耐えられる範囲まで落ちていく。新陳代謝能力が落ちてくるため、意識して体を使わないと新陳代謝を維持できなくなる。これが若者と違う点だ。

加齢による新陳代謝の衰えはある程度仕方がないが、筋肉を鍛えることで新陳代謝の量を維持したり、改善したりすることが分かっている。その現象は私自身が体験しているからだ。62歳の平均的な新陳代謝量1400カロリーよりも250カロリー多い1650カロリーである。

これは、筋トレを継続して行ってきた結果である。筋トレを継続的にやると筋肉貯金ができる。筋肉はメモリー機能を持っている感じがする。過去にここまで筋肉を鍛えたという記憶を持っているため、筋力が落ちてもトレーニングをやり続けるとあまり時間をかけなくても筋力を回復させてくれる。私の体験からそう感じている。

ADL(日常生活活動)が出来なくなると一人で身の回りの世話が出来なくなる生活になる。この状態になった時点で健康寿命が終わったという理解を私はしている。

筋肉の衰えで階段の昇り降りができなくなったとか、腰を下ろしてする掃除が辛くなったとか、長距離を歩けなくなったとか、筋肉にまつわる不便さが増える。

筋力があれば、買い物かごを持ちながらスーパーの中でたくさん買い物ができるとか、自宅まで持ち帰られるとか、今まで出来なかったことが筋力を強化することで出来るようになる。

病気による健康障害で健康寿命を縮めるのはどうしようもないが、加齢で自然に筋力が落ちてくるのは定期的な筋トレで予防できる。筋トレを始めて健康になった老人は大勢いる。自分の体のことを心配するならば、健康なうちに運動習慣を身につけることである。

運動をするならば、できるだけ筋肉痛が味わえるまで運動をすることだ。筋肉痛を簡単に味わいたいシニアは、階段が沢山ある山に昇り降りすることだ。一発で翌日筋肉痛が足に起こる。筋肉痛が起きたら、痛みがなくなるまで運動を休み、体を回復させる。シニアは無理をして筋トレをする必要がない。時間をかけて継続すれば良いだけだ。