年代毎に変わる生活の変化にどのように対応するのか?

誰もが老人になる。若い人たちは、自分が老人になった時に何が起きるか分からない。老人の生活が今の生活と同じと思っていると言うか、想像ができない。65歳の私も70歳、80歳、90歳の高齢者の生活を想像できない。自分の体がどうなって行くか予想がつかないのだ。参考になるのは、94歳の義父と89歳の義母の生活観察と介護支援で見ることである。

二人に共通している困っている点は、不自由な足と炊事・洗濯・掃除・買い物などの普通の生活を送れない体力である。

義母は自宅で転倒して病院に入院、その後、リハビリで老健施設に入居している。義父は自宅で一人暮らしを楽しんでいる。94歳の高齢で一人暮らしを維持できているかと言えば、100%そうだとも言えない。私達夫婦が週1回の頻度で介護支援をしているからだ。義父だけでは体力を要する掃除、洗濯、ゴミ出し、買い物などが出来ない。

そんな姿を見ていると将来の自分の姿が予測できる。老化は誰にでもやってくる。それを出来るだけ伸ばすには、普通の生活が自分で維持できる筋力と体力を強化するしか無い。この世で快適に生きていくには体が資本になる。

老後の生活は60歳代、70歳代、80歳代、90歳代でそれぞれ違う!

私自身、何歳まで生きられるかも分からない。分からないが自分が70歳を過ぎた時にどれだけ体力が温存できているかだ。健康と体力が老後の生活でもっとも重要な要素になる。

健康と体力は、60歳代、70歳代、80歳代で相当変わってくる。80歳代で60歳代の健康と体力を温存できているシニアがいたらそのシニアからその秘密を学びたい。加齢は、逃げられないが筋力は年齢に関係なく強化、維持ができる。体の中の臓器は当然寿命がある。寿命が尽きれば、筋力も意味をなさなくなる。

普通の生活を維持できるか?

60歳代は、病気をしなければ普通の生活を維持できる健康と体力が温存されている。70歳代になると健康を維持する予防対策をしていないと成人病や認知症になる。70歳以降は、高齢者が社会との接点を失い始める。仕事から離れる高齢者が増えてくるからだ。仕事から離れると仕事経由で得ていた情報、人間関係、生活のリズムを失う。

70歳代の生活は、没頭できる趣味や目標がないと脳と体への刺激が大幅に減少する。人間としての普通の活動が自宅周辺に限定されるからだ。「毎日が日曜日」の生活が日常化する。活動する機会が減っていくと筋力が落ちて体力も同様に落ちていく。

筋力と体力が落ちると今まで当たり前に出来ていたことが出来なくなる。普通の生活が次第に出来なくなる。ゴミ出しもできない自分を見て哀れに思うようになる。足腰が不自由になると誰もが出来ていた普通の作業が出来なくなる。老後の生活は筋力と体力の衰えの程度で相当変わってくる。

この世を去る人が増えてくる

70歳代は、生き残る人と他界する人が見えてくる。10年単位で人生の節目を迎える。70歳まで、80歳まで、90歳まで生き残れると幸せを感じられるのか。生と死の分かれ道が70歳から増えてくる。知人、友人の葬式の知らせが届き始める。親族の葬式のお知らせも届き始める。歳を取るという事は、親しい人たちとの別れが増えるということではないか。

長生きができればその人は幸せだとは言えない。長生き出来ても親しい知人、友人、親族が先に他界してしまっているので孤独になる。世代の違う子どもたちと一緒に生活をするのが苦痛に感じるかもしれない。不自由な体が子どもたち家族や第三者に負担をかける。家族に負担をかけないで普通の生活ができればそれが一番幸せなのだが、80歳を過ぎれば難しくなる。

長生きをすればするほどお金が必要になる

長く生きるには、生活を維持するためのお金が必要だ。年金以外の収入や貯蓄がないと生きるのが辛くなる。そうまでして長生きをしたいと誰もが思わない。

老健施設で足のリハビリをしている89歳の義母は、老健での生活を自分なりの方法で楽しんでいる。適応力が人一倍あるようだ。94歳の義父は、毎食時に好きなウイスキーを飲みながら食べることを楽しんでいる。自宅での一人生活も慣れてきているのだが、私たち夫婦の訪問がないと掃除、洗濯、買い物などで問題を抱えることになる。

普通の生活を送れるにしても100%自分で全てを行えない。誰かが支援しなければ生活が維持できない状態にいる。本来ならば、有料介護付き老人ホームに入居していても良い年齢なのだが、住み慣れた自宅での生活に拘っている。

義父も義母も経済的に恵まれている。生活費で困ることはないが有料老人ホームに入居すると状況は一変する。前払い入居費用と毎月の料金が重くのしかかる。長生きをすればするほど貯蓄が激減していく。お金の切れ目が命の切れ目になるのが見えてくる。

年代毎に大きく変化する老後の生活に対応するには

私が準備していることが参考になれば幸い。

  1. 今65歳の私はスポーツジムで週3回の筋トレを続けている。筋トレは年令を問わず筋力と体力の維持、健康を増進させる効果がある。
  2. タンパク質の多い食事を毎食意識している。水分補給も喉が渇く前にしている。水分を多く摂ると認知症予防になると言われているからである。
  3. 70歳を過ぎたら株式でのお金の運用を止めて特定の銀行口座に現金化しておく。銀行口座も3つ以内に目的別にしておく。

結論

自分が70歳を過ぎた時にどれだけ体力が温存できているかである。健康と体力の維持が老後の生活でもっとも重要。健康と体力は、60歳代、70歳代、80歳代で相当変わってくる。70歳になったら、いつ死んでも良いように身の回りの整理とあとに残る家内と子供たちに迷惑が行かないシンプルな生活環境を作っておくべきである。