年齢が80歳を過ぎると伴侶が他界して自分一人で生活する日がやってくる。子供家族に負担や迷惑をかけないという気遣いで一人で生活を続けようとする老人が多い。普通の生活が問題なく送れる肉体があれば、問題がないが年齢とともに普通の生活が難しくなる。万が一のことを考えて生活をしないと一人で生活をすることができなくなる。
この時期、お風呂場で溺れ死ぬ老人が増えてくる。お風呂場の気温とお風呂の中の温度差でお風呂に入った時に貧血や意識障害が起きて気を失いそのままお風呂の中で水死してしまうという事故だ。一人生活をしているとそのような事故死が孤独死になってしまう。
自分が孤独死で他界する時
老いてくるといつか自分が他界するということを意識し始める。還暦を過ぎ、70歳を過ぎ、友人や知人の葬式に参列し、次は自分かもと考え始める。夫婦で生活、または、子供家族と一緒に生活ができていれば孤独死というようなことは起きないが、まだ一人で生活をしているシニアは万が一のことを考え、準備する必要がある。
家族や他人に迷惑をかけない死に方を考える
家族に知られないで数週間後に死亡が分かるという孤独死が年々増加している。何か生活で問題が起きたら、直ぐに家族に知らされる生活環境が必須になる。見守りサービスを使って年老いた親の状況をモニターできていれば、何かが起きても比較的早く対応ができる。
一人で生活をしている義父を1週間に一度訪問して介護支援を私たち夫婦はしている。年齢が92歳であるのでそろそろ老人ホームに入居してはと話をしているが、自宅で生活をできるだけ長くしたいということで様子を見ている。
ただ、心配なことは毎日義父の様子を確認できないことだ。そこで、義父からこんな事をしたいという提案があった。
毎日夜の7時頃に義父から私の家に電話をする。電話応答音がしばらくして切れれば、義父は大丈夫だという知らせだ。電話番号通知サービスを使って誰からの電話歌がその場でわかるので義父からの電話かどうかすぐに分かる。
この方法であると電話料金が発生しない。もし、電話がなければ何かが義父の家で起きているという信号になる。この方法で実家を訪問していない日々の様子を確認している。義父は一人で外出外泊するようなことが出来ない体である。電話連絡がなければ、自宅で何か問題が発生していると分かる。
日常生活で必要な物だけで生活する
老いてくると自然に活動が固定する。若者のように色々なことに興味を持って活発に動き回らない。毎日の生活で使うものも決まってくる。外出が少なくなれば、家着だけでの生活に成り、ファッションを意識した洋服を着た外出もなくなる。使うものは、自宅で生活する上で必要なものだけになる。
自宅を空けて外出する生活から自宅周辺だけで過ごす生活に移り始めたら、自宅にある使わないものを断捨離するタイミングになる。物置に置いてある物、押し入れに入れたままになっている物、外出時に着なくなった洋服など今の自分の生活で使わなくなったと感じたら、思い切って断舎離したほうが良いだろう。
自分の体が自由に動かなくなったり、行動が制限され始めたら、自然に使うものが固定化される。孤独死になった老人の住居は、物で溢れていたということを聞いた。ゴミを外に出せなくなっため、自宅内にゴミが置かれゴミ屋敷状態になる。使えないもの、使わない物の処分ができる体力があるうちに万が一のことを考えて断捨離をして、身軽な生活に移行する必要がある。
孤独死になった時に家族にやって貰いたい事リストを作成する
突然死、お風呂での事故死などで自分が万が一に他界したらこの世界に残した家族に伝えるべきことが伝えられなくなる。一人生活を始めたら、遺書と家族にやってもらいたいことを書き記すことではないか。その情報が家族に伝われば、自分の死からくる負担を軽減できる。
私のようにインターネットを頻繁に使っているシニアは、インターネットにアクセスして処理をしないと出来ないことが多くなる。特に重要な情報は、金銭関連のサイト(インターネット銀行、クレジットカード会社、証券会社など)、レンタルサーバー会社、インターネットプロバイダー、SNS(Facebook, Twitterなど)へのログインユーザーIDとパスワード、サイトURLなどだ。
インターネット上に残っている私の情報が悪用されても被害がないものは、そのままにしていても問題がない。自分のホームページなどは、レンタルサーバー契約が切れた時点で自然消滅する。一番注意すべきことは、支払いが自動的に銀行口座から引き落とされ続けることだ。スマホや携帯電話の通信料金などは、面倒な手続きになる。本人以外が契約を切るためにはどうするかなどの情報がリストに書かれていると便利だ。
誰もが自分の死を見つめる、考えることを嫌がる。
でも、
生まれた来た者は死ぬ運命にあるという事実を受け入れるしか無い。他界する人はすべてを忘れても良いが、この世界に残って生活を続ける家族は後処理で苦労する。その負担を出来るだけ軽減してあげる生前の準備は感謝されるはずだ。
この記事「孤独死対策:一人暮らしの高齢者が他界する前にすべき事」のポイントは、
- 老いてくるといつか自分が他界するということを意識し始める。還暦を過ぎ、70歳を過ぎ、友人や知人の葬式に参列し、次は自分かもと考え始める。
- 生まれた来た者は死ぬ運命にあるという事実を受け入れるしか無い。他界する人はすべてを忘れても良いが、この世界に残って生活を続ける家族は後処理で苦労する。その負担を出来るだけ軽減してあげる生前の準備は感謝されるはずだ。