今から筋トレを始めるシニア:注意する事3つ

60歳、70歳過ぎになると体の動きが鈍くなり体力不足を感じるようになる。駅の階段を上がり上がった後の息切れなどは典型的だ。階段も上がれる階数が少なくなり、エレベーターやエスカレーターに直ぐに乗ってしまう。そんな体力低下を自覚するのが60歳を過ぎた頃からだ。人によっては、40歳、50歳頃の人もいるが多くは60歳以降である。体は確実に老化に向かっている。

最近、「筋肉貯金」と言う言葉がテレビなどで使われる。「筋肉貯金」とは、筋肉を鍛え続けると老化で筋肉が失われるスピードを遅く出来る貯金である。筋肉は年齢に関係なく鍛え続けると成長する。60歳以降の筋肉を失っていく老人でも筋肉を鍛えれば、失った筋肉を取り戻し成長させる事が出来る。

スクワットはシニアの足を鍛える運動

60歳過ぎて定期的な筋トレをやらないと確実に知らないうちに下半身、上半身の大きい筋肉が失われて行く。その現象に気が付く年齢が、70歳代に入ってからだ。その時に慌てて筋トレをやり始めるシニアが多い。そんなシニアのために「筋肉貯金」の貯め方で注意する事を3つ教えたい。

筋トレ習慣を身に付ける事が一番重要

70歳代で「筋肉貯金」を貯め始めるシニアは「筋肉貯金」が既にマイナスになりかけている。基礎体力以下の筋肉になっているのである。そんな体で筋トレを始めると続かない。筋トレ初日から力み過ぎると翌日に猛烈な筋肉痛と体調不良に陥る。体が負荷の大きい筋トレに耐えきれなかったためである。何事も体を筋トレに慣らす事から始める必要がある。その下準備なく行うと体の不調で筋トレが続かなくなる。

筋トレ、3つの注意事項

  1. 近くのスポーツセンターで筋トレの相談をして自分に合ったプログラムの作成を依頼する
  2. 出来れば、パーソナルトレーナーについて筋トレ初心者のトレーニングを受ける
  3. シニアは無理をしないで定期的にジムに通う運動習慣を身に付けること!

若い者と違ってシニアの筋肉は疲れから回復する時間が遅い。急な負荷で体の調子を崩しやすい。例えば、体中筋肉痛で熱が出始め次の日からの生活で支障が出る場合がある。長い間使っていなかった筋肉を急に使うと筋肉疲労が大きくなる。その回復に時間がかかる。回復しないうちにまたジムで筋トレを始めると筋肉疲労が累積してしまう。

筋トレで痛んだ筋肉細胞は48時間ぐらいで修復再生される。つまり、48時間ぐらいは鍛えた部位の筋肉を休めておく必要がある。筋トレに慣れていないシニアの筋肉は頑張り過ぎると鍛えた筋肉の周辺で筋肉がつり始める。体が筋トレの負荷に耐えられないからだ。負荷は時間をかけて体に慣れさせなければならない。

筋トレの運動習慣の作り方

  1.  筋トレは自我流でやらないで専門トレーナーに筋トレプログラムを作ってもらい、トレーナーの指導を受ける。これをやらないとシニアは怪我をしたり、体調不良を起こしたりで定期的に筋トレが出来なくなる。
  2. 3ヶ月ぐらい週2回定期的に筋トレ指導を受ける。お金は出るが、一人では三日坊主になるのでトレーナの指導が運動習慣の基礎をつくる。
  3. 筋トレを行った翌日は体が疲れているので散歩やウォーキオングで体全体の血流を良くする。お風呂に入った後はストレッチ運動をして硬くなった筋肉を和らげる。
  4. 筋トレを行った日は食欲が出るのでいつもよりも食べる量が増えても気にしない。ただし、タンパク質が多い食事をすること。
  5. 筋肉はすぐには増えていかない。鏡に写った自分の体を見て違いが分かるようになるまで最低1年間は必要。運動習慣が身に付けば1年はあっという間に過ぎていく。

筋トレの運動習慣が身に付くと筋トレが癖になる。1週間の間に筋トレをしていないと体の調子が悪くなる。体が筋トレを要求してくる。腰痛も肩こりも筋トレをやった後は血流が良くなり痛みが消える。2日間ぐらいは腰痛や肩こりで困らなくなる。週2回の筋トレは腰痛と肩こり防止の運動になる。

68歳のシニア男性は語る

今日も午前中に筋トレをスポーツジムでやってきた。1回2時間ぐらい筋トレに費やす。その2時間には当然体を休める時間も含まれている。筋トレは疲労しやすい。普通の生活で使う筋肉負担を超える運動になるからである。息が切れて5分から10分ぐらい息が戻るまで休むことになる。

自宅でスクワット運動を1セット30回やってみれば私が言う疲労感と息切れを体験できる。筋トレは無理をしないで息が切れ始めたら息が戻るまで休むこと。1時間以上筋トレを続けると疲れからやる気が出なくなる。そんな時は今日の筋トレを終了することになる。疲れからくる「やる気が出ない状態」で筋トレを続けても意味がない。

私は午前中に筋トレをする。平日の午前中はジムを使う人が少ない。若い人たちは仕事。暇な人達、65歳から70歳以上のシニアが筋トレをやる。今日は80歳と75歳のシニア男性二人がベンチプレスを交互にやっていた。彼らはこのスポーツジムの常連客である。

私よりも年上の方が筋トレをやっていると励みになる。80歳を過ぎても筋トレは出来るという生き証人がいるからだ。スポーツジムを定期的に通う習慣が身に付けば、見慣れた顔を認識始める。一度も話したことがない方でもお互い見慣れているので親近感を覚える。

私が本格的に筋トレを週2回やり始めたのは5年ほど前である。それまでは週1回で体の筋肉が筋トレを要求し始めた時にやっていた。筋トレを週2回各2時間やり始めて体格が変わった。筋肉が増えて誰が見てもガッシリした逆三角形の上半身になった。Tシャツを着ればその体型がくっきりと見えるようになる。

一番体に貢献した運動は「懸垂」である。懸垂は上半身の広背筋と腕の筋肉を鍛える。1セット10回出来るほどになっている。今の目標は1筋トレ時間中に合計50回懸垂をするということである。私の生活の30%は筋トレである。50%が仕事。残りの20%が遊びになる。

定期的な筋トレの恩恵は病気にかからない健康的な体である。顔や髪の毛は老人であるが、体は30歳代の若者である。

結論

  • 「筋肉貯金」とは筋肉を鍛え続けると老化で筋肉が失われるスピードを遅く出来る貯金である。
  • 70歳代で「筋肉貯金」を貯め始めるシニアは、「筋肉貯金」が既にマイナスになりかけている。基礎体力以下の筋肉になっているので自分の体力にあった筋トレプログラムを作ってもらい始めること。
  • シニアは無理をしないで定期的にジムに通う運動習慣を身に付けること。