シニアの健康寿命を伸ばすにはどのような運動を定期的にすれば良いのか?

活動的に体を使って動いているシニアは、身体の老化を防いでいる。動物にしても人間にしても自分で動き回れなくなれば、終わりだからだ。自分の今の体力を知ることでこれからの老後の生活で困らない体にする事ができる。普通の生活が今できていれば、その生活スタイルをできるだけ長く続けるための体が必要だ。

健康寿命は、基本、現在の生活を問題なく過ごせる体が大前提である。その意味で自分の体力を知ることは、今後の生活で問題になる点を知ることになる。私を含め60歳を過ぎれば、以前出来たことが出来無くなっていることに気が付く。子供の頃にやった逆上がりが出来ない。懸垂が1回も出来ない。体のバランスが取れ難くなった。以前は当たり前にできていた動作や運動がいつの間にか出来無くなっている自分を見つける。

体力測定をやらなくても簡単な運動ができる、出来ないで自分の体力を知ることが出来る。現在の体力や筋力を知ることが出発点。そこから衰えて行っている筋力を回復する筋トレを始める。

腕、足、体の柔軟性、筋力、体のバランス感を改善する基礎筋トレ運動

運動を定期的にやっていない大人は知らないうちに筋力が落ちている事に気が付かない。誰もが知っている運動をやってみれば、それがすぐ分かる。頭の中では簡単に出来ると思っているのだが、実際にやってみると出来ないことにショックを覚える。

普通の生活ではあまり使わない動きかもしれないが基礎体力を作る上で重要な運動になる。

1.腕立て伏せ

年齢が65歳を過ぎると両腕の筋肉が衰えて細くなる。町中を歩いている高齢者の腕の筋肉を観察してほしい。腕が骨と皮だけになって見えるほど細くなってきている。80歳を過ぎた老人であれば、その腕の細さがすぐに目に止まるはずだ。もし、自分の腕がそのような状態になっていなければ、腕立て伏せを一度に10回以上出来るかどうかをテストしてほしい。

Push Up

頭の中は、若い頃に腕立て伏せを30回も出来たという記憶があるかもしれない。その記憶で簡単にできると思い、いざ、やってみると10回も出来ない自分を見つける人が多い。10回も出来ないシニアは、腕の筋力が確実に落ちている証拠である。腕の筋力が弱いとつまずいて前方に倒れた時に自分の体を支えきれない。支えきれないために顔を地面に叩きつけてけがをすることになる。

上記のような普通の腕立て伏せが出来ないシニアは膝を付けて腕立て伏せをやってみる。徐々に腕に筋力がついてきてから普通の腕立て伏せのスタイルで行う。最初の目標は1セット10回。それが出来たら、3セット休みながら行う。1日合計30回を目指す。

筋肉痛が翌日に味わえれば効果があった証拠になる。筋トレの強度は翌日筋肉痛を感じるかどうかが目安になる。筋肉痛がない筋トレはあまり効果がない。注意するべきことは筋肉痛がある時に腕立て伏せをやらないことである。筋肉痛から回復した時点で再開する。

2.スクワット

座って立ち上がる力が衰えると自分で動ける動作に支障が生じる。足の動きが鈍ると危ない!日常生活で座って立ち上がる動作は頻繁に起きる。その動作が簡単に出来無くなったら、普通の生活が出来なくなる。スクワット運動をやってみると自分の足の筋力と持久力が分かる

squat

30秒の間に何回出来るかをチェックしてみて下さい。1秒に1回できれば脚力は大丈夫。30秒に30回ができれば問題なし。30回以下であれば、脚力が落ちていることの証拠。スクワット運動を毎日行って脚力を強化する必要がある。目標は、30秒間に30回である。

翌日筋肉痛になるくらいスクワットをやってもらいたい。足の筋肉は大きいのでスクワット運動をしっかりやれば、体全体の体力も改善される。尻を下げて膝上周辺の筋肉と知り周辺の筋肉に刺激を感じるほど尻を落としながら行うと良い。負荷が大きいほど足の筋肉に強い刺激が行く。

3.前屈

老いてくると体が硬くなる。体全体の柔軟性が欠ける。体が硬くなると動きが悪くなる。 前屈姿勢で体の柔らかさが分かる。立って膝を曲げないで床に手のひらがベタッと届くシニアは、体の柔軟性で何も問題がない。体の柔軟度は体の若さを表す。個人差はあるが、体の柔軟度は老いてくれば来るほど悪くなる。

posture

体の柔軟性を高めるためには、お風呂から出た後に足のストレッチ運動を毎日やることだ。参考になるウエブページがあるので参照していただきたい。前屈運動を毎日やっていると自然に体は柔らかくなっていく。とにかく毎日前屈運動をやる

4.目を閉じて片足で立つ

体のバランス感覚の劣化は、60歳を過ぎた頃に顕著になる。ちょっとした事でよろけるのも体のバランス機能が衰えた証拠である。階段をあがる時にバランス感覚が衰えるとどうしても手すりが必要になってくる。階段は片足でバランスを取りながら上がらざるをえないからだ。

one leg standing

自分のバランス感覚をチェックするには、目をつぶって片足で何秒立って入れるかを調べる。20秒以上目をつぶって片足で立っていられれば、あなたのバランス感覚は問題ない。

体のバランス感覚を強化するには、こんな動作を毎朝やることだ。朝起きて洗面所で歯磨きをする時、上の歯を磨く時、右足を上げてバランスを取りながら磨く。下の歯を磨く時は、左足を上げてバランスを取りながら磨く。バランスが崩れて足が床についてしまったら、足を変えてあげながらまた歯磨きを続ける。これを毎日続けると知らないうちにバランス感覚が強化される。私もこれを毎日やっている。効果はある。

5.懸垂

懸垂が1回も出来ない高齢者がほとんどである。40歳代、50歳代でも懸垂が1回も出来ない人が多い。何故か?多くは、肥満で体重が増えているため、その体重を上げるだけの腕や背筋の力がないのである。懸垂は、体重と腕の筋肉、広背筋とのバランスで変わってくる。シニアの人は、懸垂が1回も出来なくても不自然ではないが、1回以上、または、3回ぐらいできれば普通以上の筋力があると思って良い。

目標は、懸垂3回だ。60歳代、70歳代で懸垂が3回以上できれば、優秀である。普段の生活で引く力を要する動きが少ない。頻繁に力強く引く動作が少ないため、懸垂が出来なくなる。懸垂は上半身全体の筋力を鍛える効果がある。

pullup

懸垂は、面白い傾向がある。毎日懸垂が出来るように頑張ると必ず出来るようになるということだ。1ヶ月間、毎日、鉄棒の間でぶら下がりながら懸垂を試みるだけでよい。疲れたら、明日、また、挑戦するということを1ヶ月続けてもらいたい。ある日、突然、懸垂が出来るようになる。

懸垂が何回も出来るようになると手の握力も同時に強化される。握力がないと鉄棒にぶら下がれないからだ。握力の強さが筋力の強さと言われるくらい握力は体の筋力をチェックするときの基準になる。握力を強めたければ懸垂を続けることである。

65歳の私は二日おきに近くの公園で懸垂をやっている。1セット10回はできる。毎回合計30回以上やっている。翌日は必ず筋肉痛になる。それを繰り返していると1セットに出来る懸垂の回数が自然と増えていく。現在の目標は1セット15回連続して懸垂が出来るようになることである。

65歳のシニアが懸垂1セット15回できる人は非常に少ない。だから挑戦している。

6.腹筋と背筋

腹筋は、寝ている状態から起き上がる上で重要な筋力になる。これが手を使わないで出来るようにならないとダメだ。腹筋は背筋と同様に体の姿勢を維持する時に使われる。このバランスを取る運動が必要になる。寝ている状態から手を使わないで起き上がれるかをチエックする。

背筋は、ヒップリフト運動で1セット25回出来るかどうかをチェックする。ヒップリフトとは、仰向けに寝て両手をお腹の上に置きヒップ路上げる運動である。両足の幅は肩幅にする。最初は、何回出来るかチェックしてみる。25回続けてできれば優秀である。背筋は、腹筋以上に筋力が失われやすい。日常生活で背筋を使う場面が少ないために背筋の力が失われやすいからだ。

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高齢者にとって自分の体力は、長生きをする上で一番重要になる。普通の生活をできるだけ長く出来るようにすれば、老人ホームに入るための多額のお金を貯める必要がなくなる。自分で自由に動き回れる。家族に迷惑をかけてないで生活を続ける上で基礎体力を向上する必要がある。

今の自分の体力を知ることで今からどのような運動をするべきかが見えてくる。何をするにも体が資本である。体が弱体化すれば、人生を楽しむことが難しくなる。最終的には、定期的な運動をやるか、やらないかに落ち着く。やらない人は、それなりの結末を迎える。やった人は確実に生活の質が改善される。

結論

  • 活動的に体を使って動いているシニアは、身体の老化を防いでいる。
  • 健康寿命は、基本、現在の生活を問題なく過ごせる体が大前提である。
  • 最終的には、定期的な運動をやるか、やらないかに落ち着く。やらない人は、それなりの結末を迎える。やった人は確実に生活の質が改善される。