60歳過ぎたら保険は必要か?保険で損をしていない?

今までお金が保険であるという考え方がなかった。昨日、TUTAYAでスターバックスのコーヒーを飲みながら一冊の本を読んでいた。99歳のトルコ人男性のビジネス人生を孫に語りかけている本だ。その中で「お金は人生の保険である」と語らえていた。なぜか、この言葉が新鮮に聞こえた。 

今まで生命保険と掛け捨ての医療保険(がん保険)に入っていた。60歳になった時にすべての保険契約を解約した。その理由は支払い金額に対して保険で支払われる金額が60歳を境に凄く低く抑えられるからだ。生命保険の支払額が3000万円から300万円に下がったりする。

つまり、60歳を過ぎたシニアは保険の対象にならないと言っている。保険会社にとって他界するリスクが高くなるので儲かるお客でなくなる。

保険は一体何のためにあるのだろうか。本当に必要なのだろうか。日本人は欧米人と比べて生命保険加入率が高く儲けやすいお客になっている。英国人の生命保険加入率は2015年で38%に対し日本は80%と言われる。

60歳を過ぎると保険のメリットが無くなる

少子高齢化でシニア向けの生命保険や医療保険が新しく生まれているが、他界したときの葬儀費用を支払えるという目的の生命保険になっている。金額として100万円前後である。こんな生命保険が本当に必要なのだろうか。手元に100万円以上のお金があれば他界したときの葬儀費用は賄えられる。

医療保険も年齢によって掛け捨ての月々の支払い金額がシニアほど割高に設定されている。そんな現実を目にしてすべての生命保険と医療保険を解約した。

お金が保険である?

保険はリスクに対する金銭的な保証である。事故で多額のお金が必要になった時に保険に入っていれば、突然の多額な出費に対応が出来る。保険は、貧乏人のためにある。お金持ちは、お金を沢山持っているので多額の出費もすぐに対応が出来る。

お金持ちは保険を必要としない理由がここにあるのに高額な生命保険に入っている裕福なシニアが多い。

それなのに私達は、お金という保険で保険を買っている。60歳以上の高齢者は、もう、保険を必要としない。お金さえあれば、そのお金が保険になるからだ。特に生命保険と医療保険は老人にとって無駄な出費になる。自分が死んだ後の生命保険は自分に戻ってこない。家族に残るだけである。

例えば、医療保険

月額5000円ぐらいの保険料で入院したら1日5000円の保証があるという医療保険がたくさんある。 これが60日間支払われる。合計30万円の補償だ。一度の入院期間の限度が60日になっている場合が多いからだ。ひどい病気や事故でなければ、60日間で退院できる可能性が高いという統計確率から出されている。

月額5000円の医療保険の支払いを5年以上続けると支払金額が30万円を越える。5年以内に入院して60日間補償金を支給されれば保険を使うメリットがあるが、5年以上支払い続けるならば確実に損をする。掛け金に対するリターンが少なくなるからだ。

1回の入院で60日間の補償金額が30万円であるならば、保険に入る必要はない。手元に30万円あれば良いだけだ。多額な費用が発生する手術費用も国民健康保険でカバーできる。個人負担の上限が8万ぐらいだからだ。

したがって、医療保険をお金という保険で買う必要はないのである。

保険はお金があれば必要ない!

お金が沢山あれば、人生で突然発生する出費に対応できる。これが基本的な考え方だ。私達がお金を貯めるのは、お金で安心を買っているからだ。仕事ができなくなった時に貯めておいたお金で生活をするという感じである。

お金は欲しいものを手に入れるためのものという考えが強かった。物欲を満たすためにお金を稼ぎ、貯める。歳を取ってくるとお金は余生のための保険になる。

99歳のトルコ人ビジネスマンは、死ぬまでお金を稼ぐことをやめない。お金が入ってくる仕事があれば、それも安心材料になる。年老いたから仕事を辞めるというのは考えものかもしれない。続ける、辞めるの判断はその人の健康状態と判断に依存するが。お金が入ってくる仕組みがあれば、お金を貯めるということに固守する必要がない

お金を貯め始めるとお金の亡者になるリスクがある。貯めることが生きがいになるからだ。お金に使われない人生でなければならない。 お金に使われない人生を送るには、「お金を人生の保険」という見方をすれば良い。それも自分で貯めて作り出す保険である。

結論

私が他界したら、私が貯めていた金融資産が家族に残る。お金が最も必要になるのは妻である。年金だけでは生活が出来ないのが分かっているので妻には毎月の生活費の大部分が老後の生活費になるように多めに与えている。私がお金を稼いでいる限りそれが続く。

子どもたちが巣立ってからずっとそれが続いているので私の貯蓄よりも多くなっているはずである。お金がたくさんあれば、保険金による支払いを当てにする必要はない。保険金の掛け金の半分は保険会社の利益になる。