シニアが孤独になって不安を感じる時、2つの選択がある

私の知人が60歳で定年退職をした。次の職を探しているのだがまだ見つからないでいる。半年後に失業手当が支給される。それまで職を探しながら自由な時間を旅行に行ったり、色々な展示会に行ったり、好きな事に時間を使っている。多くの定年退職者は、今まで蓄積されてきたやりたくても時間がないためにできなかったことをこの時にやろうとする。

次の勤め先が見つかれば、それで良しとする考えなのだが世の中はそううまく回らないのが現実だ。彼は、毎日何をしようかと悩んで思いつくことをやっている感じがする。自宅にいても自分の居場所がない。見た目は孤独ではないのだが、内心は孤独という闇が近寄ってきていることに気づいているようだ。

会社勤めをしている時は、近くに同僚がいる。同僚と一緒に飯を食べたり、上司の愚痴を言ったり、居酒屋に行ったりして共通の空間を楽しんでいた。今は、そんな空間がない。それ故に寂しさを感じている。孤独=寂しさ。一人で自分の時間を楽しむ知恵を習得しないと孤独がという闇が襲ってくる。

孤独とシニア、誰もが直面する問題

孤独を楽しむ方法を見つければ、孤独を恐れる必要がなくなる。孤独はシニアの誰もが直面する問題である。定年退職後に起きる組織から離れた生活。一人で過ごす日中の時間に負担を感じるシニアが多い。以前は、会社に行けば知っている同僚や部下がいつも周りにいた。今は、一人という現実に戸惑いを感じる。

シニアの心情は、早く再就職先を見つけたい感情で一杯なのだが、思うように行かない。自由な時間を遊びながら、職探しをするのだが将来に対する不安が増してくる。不安の横には孤独が座っている。職が見つからなければ何をしたら良いのか。この不安を共有する同僚も知人もいない。一人で孤立する。

選択1.孤独に打ち負かされて自宅にこもる

60歳で引退するには年齢が若すぎる。アルバイトやパートの仕事をする気にもならない。中途半端な状態で悩み始める。個人差はあるが、中途半端な状態が続くと活動が止まる。自宅にいる時間が増えてくる。自宅でテレビを見たり、本を読んだり、音楽を聞いたり、新聞を読んだり、目に入ることをやるのだが次第にやることがなくなる。

面白いことに自宅に居座る生活が続くと外に出ることが面倒くさくなる。孤独と一緒に生活する時間が増える。自宅でなにかに没頭して時間を使っていれば良いのだが、何もしないで寝転がっている時間が多いと問題だ。いわゆる、無気力状態に近づく。こんな状態になったシニアの顔は、生気がない顔になる。

定年退職後のときの顔と比較するとその違いが目立つ。そんな知人を私は見ている。定年退職後は、外に自分の居場所を確保することだ。外で何らかの活動をやり続けることだ。外で何かをやっていれば、そこから新しい出来事が生まれてくる。自分で歩けば、必ず、動くことで空気も動く。変化は、自分の行動で連鎖する。

選択2.孤独に尻を叩かれて行動を起こし続ける

孤独は不安を伴う。その不安に尻を叩かれて動き続ける人もいる。私の知人は、自宅でじっとしていられないようだ。外に出る理由を見つけて活動している。朝起きた時に「今日は何をしようか?」と思うそうだ。多分、誰もがそう思うはずだ。私の起業始めの頃は、毎朝、今日やることを決めて起き上がる。今日、やるべきことが定まると精神的に安定する。あとは、決めたことを実行するだけだからだ。

知人は、自分で行動することで何かに出会うことを期待している。

勉強会に参加したり、新しく商業施設を訪問したり、昔の友達を誘って飲みに行ったりしている。再就職先は、人材紹介会社からの連絡を待つので自由になる時間が多い。動き回ることで何らかのチャンスを探しているようだ。動きながら自分が本当にやりたいこと、新しい人生プランを考えている。

アクティブに動き回り続けている人は、孤独にはならない。孤独の隣りに座っている不安が孤独から遠ざける。不安は、動かない自分を強制的に「なんとかしろ!」と檄を飛ばす力がある。

絶えず、何かをしていないと不安になるというタイプの人間が私の知人だ。私は、そんな知人にエールを送りたい。動き回れば、時間が掛かるがきっと新しい人生のきっかけをつかめると思う。

孤独という不安

定年退職後に知人のような行動を起こすシニアがどれだけいるかは分からない。もし、自宅で孤独を感じ始めたら、新鮮な空気を吸うために近くの公園を散策することだ。歩きながら自然の景色を見ながら自分と話をする。

私は一匹狼の生活が長い。会社勤めをしていても個人で活動していたときのほうが気楽だ。そんな性格があるから起業をしても孤独に酷くやられないで来れたのかもしれない。起業はたしかにリスクが有る。リスクがあるが、それしか選択がなければその道で生き抜くしかない。ピンチになるが、ビンチになることでチャンスを拾うことが出来る。

私は、何度も「捨てる神あれば拾う神あり」で生き延びて来ている。

私が孤独を感じる時は、何もやることが無くなったときだ!何かに夢中になることが無くなった時が一番孤独を感じる。今は、自分で作った仕事がある。好きでやっている仕事であるので色々考えることがある。お金を自分で稼げる経験をすると「欲」が生まれる。自分のアイデアや工夫次第で稼ぐお金が変わってくる。そこに面白さを感じるからだ。

孤独は不安の隣りに座っている。

孤独になり不安を感じ始めたら、不安はあなたを助けようとしている事に気付くべきだ。外に出て動き回れと!不安はあなたに囁いている。不安はあなたの守護神である。不安が言っていることに耳を傾けてその通り実行することだ。人は動けば必ず風を起こす。その風が風を連鎖させる。世の中に変化が起きる。自分で変化を作っているという実感を感じるべきだ。

結論

  • 会社組織から離れる生活が始まると一人で時間を過ごすことが増える。先が見えない時間だ。孤独はそんなシニアに忍び寄る。
  • 人により孤独になった時に起こす行動が違う。自宅に閉じこもるシニア、外に出て動かずにはいられないシニアがいる。
  • 不安は孤独の隣に座っている。孤独になり不安を感じ始めたら、不安はあなたを助けようとしている事に気付くべきだ。外に出て動き回れと!不安はあなたに囁いている。