枯れた体に筋肉を付けたい

先ほどすれ違った老夫婦は二人とも体が細かった。私の印象では、75歳以上の老人男性は段々と食が細くなり運動もやらなくなり、体重が落ち始める。元から太っている高齢者は、枯れる事はないが、自分の体重に耐え切れなくなる。長く歩く事が出来ない。直ぐにどこかに座って休み始める。

やせ細る老人たちは共通して食が細い。これは当たり前だろう。食べる物が少なくなれば、体が消費するカロリー消費も減少する。足りないカロリーは、体の筋肉から次第に消費される。これが悪循環になり、筋肉量が多い足から栄養を取り、筋肉を失っていく。

体は骨と筋肉で基本的な体型を作っている。筋肉量が加齢で減ってくると体が枯れて細くなっていく。筋肉は自分の体を動かす上で最も重要である。筋肉を維持することが老後の生活を快適にする。老いてくると体が枯れて細くなるシニアと肥満で歩けなくシニアに分かれる。どちらも筋肉量が減少して自分の体を自由に動かすことが出来なくなる。

体を枯らさないためにタンパク質が多い肉や魚を食べて定期的な運動を!

健康を意識している老人は、(1)タンパク質を多く取るために肉や魚を食べる、(2)毎日欠かさず体の筋肉を鍛える運動をしている。毎日欠かさず運動をする習慣は直ぐには身に付かない。だが、食事を改善することは簡単に出来る。意識するだけで始められる。1日3食必ずタンパク質が多い鳥のむね肉や魚を食べるだけで良い。

筋肉を体に付けるには3つの条件を満たす必要がある

筋肉はすぐに増えてこない。体の筋肉が半分生まれ変わるまで48日間必要。生まれ変わるときに筋肉が増えていく。筋肉を増やすにはこのステップを踏まねばならない。

  1. 筋肉の材料になるタンパク質の多い食事を毎食取る。
  2. スポーツジムで週3回筋トレをトレーナーの指導下で行う。自分でやるよりも効率的で効果があり続けることが出来る。
  3. 十分な水分補給(水分を普通よりも多く飲む)と十分な睡眠(筋肉は寝ているときに増える)

筋肉は絶えず使っていないと衰えて行く。特に高齢者は若者と比べて筋肉の衰えが早い。筋肉を維持するには筋肉を使う生活をするしか無い。働いて体を活発に使っているシニアは筋肉が維持されている。日々の生活で体をあまり動かさないシニアは日毎に筋肉が衰えて行く。

筋トレはシニアにとって必須の時代

多くの老人は、毎日ウォーキングをしている。だらだらと歩くだけでは筋肉は体に付かないのでちょっとした工夫をして歩く。リュックに1リットルのミネラルウォーターボトルと汗拭きのタオルを入れる。意図的に体を重くして歩く事で足の筋肉を刺激する。

私はいつも10キロのリュックを背負って5キロぐらい歩いている。リュックには、パソコンや資料などが入っているため必然的に10キロぐらいの重さになってしまう。体重が75キロであるので10キロを足して85キロの重さで歩く事になる。

自宅ではスクワット運動を毎日行っている。効果が一番あると言われる「カウントスクワット」に挑戦している。カウントスクワットは普通のスクワット運動と違う。負荷がもっと大きい。スクワットで腰を下げるときに6秒かける。腰を下げた姿勢で2秒耐えてから、直ぐに腰を上げる。これを朝10回、昼10回、夜10回やるだけで筋肉がすごく刺激される。

初めて挑戦するシニアは1日10回で足腰の筋肉を1週間ほど慣らすと良い。慣れて来たら1日10回を負荷が感じる回数まで増やす。3ヶ月続ければ、確実に足腰の筋力が強化される。1年間続ければ、足腰の筋肉量が増えてきていることが分かる。スポーツジムにあるInBody体組成計で調べることが出来る。

シニアの筋肉は加齢で足の部位から減少していく。その意味で足腰を鍛える筋トレはシニアの健康維持で必須になる。

筋肉を普通以上の負荷で刺激し、筋肉を作る材料を体に取り入れないと駄目!

老人の枯れた体は、時間をかけて肉を付け、肉を筋肉に変えて行くしかない。その第一歩が、タンパク質が多い肉や魚をたくさん取ることである。自分の基礎代謝を体重計(基礎代謝を計れる体重計、5000円以内で買える)で計り、そのカロリー以上の食事をする。食事はタンパク質を多めにして緑葉食野菜も一緒に多く取る。

出来れば、近くのスポーツセンターのスタッフや区役所の健康促進担当者に相談してバランスが取れる食事を聞くと良い。食が細い老人は、野菜中心の食事になる場合が多い。

食欲が無いからあまり食べられないと老人は言う。食欲は、運動をすれば直ぐに湧いてくる。体は正直なもので普通以上のカロリーを消費するとそのカロリーを補充するために食欲を起こす。

体が枯れて行っていると感じている老人は、無理して食事を多く取るよりも、まずは、カロリーを必要以上に消費する運動を定期的に始める事である。食は自然に増えて行くから心配しない。気をつけることはタンパク質の多い食事をすること。

体に少しずつ筋肉が増えて行くと健康的な顔と姿が作り出される。その変化を数か月単位で自覚できるようになる。体の変化だけでなく、気分も良くなる。定期的な運動とエネルギーの素になるたんぱく質で自分の生活を改善できる。

もう、枯れてしまった体は元に戻らないと思い込んでいる老人がいるが、それは違う。意識して食生活と運動を開始すれば、それが間違った思い込みであることに気が付くはず。定期的な運動は食欲を増し、体の錆を奇麗に取り除いてくれる。まずは、負荷をかけた体重で1日30分以上のウォーキングから始め、毎日自宅でスクワット運動を10回程度行う。

結論

枯れた体に筋肉を付けたいと思っているシニアが増えている。健康食品メーカーはそんなシニアをターゲットにして筋肉を増やす材料を健康食品として売り込んでいる。現実は健康食品だけでは失われた筋肉は回復できない。必ず、筋肉を作るタンパク質の多い食事と負荷を感じる筋トレ運動をしないと筋肉は増えてこない。

枯れた体に筋肉を増やすには3つの要素を満たす必要がある。

  • 筋肉の材料になるタンパク質の多い食事を毎食取る。
  • スポーツジムで週3回筋トレをトレーナーの指導下で行う。自分でやるよりも効率的で効果があり続けることが出来る。
  • 十分な水分補給(水分を普通よりも多く飲む)と十分な睡眠(筋肉は寝ているときに増える)