2019年度の男性平均寿命 81.4歳、女性 87.4歳。健康寿命は、男性が72.68年、女性が75.38年である。男性の場合、健康寿命と平均寿命の間が9年間ある。この9年間は、何らかの健康障害で普通の生活が出来ていない。
つまり、介護状態の期間を意味する。このチャートを見てほしい。この事実を私は知らなかった。ニッセイ基礎研究所が平均的寿命と健康寿命の推移をチャートにしてる。
介護状態の期間:健康上の問題で日常生活に支障が生じる
ニッセイ基礎研究所が平均的寿命と健康寿命の推移チャート(引用先:ニッセイ基礎研究所)
平均寿命と健康寿命が毎年伸びて来ている。
だが、平均寿命と健康寿命の間の差が縮まっていない。健康寿命を努力して伸ばしても平均寿命も延びてしまうので介護状態になる生活が必ず生まれるという事だ(一般論)。
自分で動く事が出来ない生活は耐え難い
介護されて生活するのは、誰もが嫌がる。自分の体が不自由になり誰かの手を借りないと何もできない状態である。出来るならば、介護状態が短い生涯を送りたい。尊厳死が認められる世の中になればそれも可能になる。
人生と運命は人それぞれ違う。自分でコントロールできる部分とそうでない部分がある。どうせ、介護状態の生活に直面するならば、介護状態になった時にどのような生活を自分が求めるか、心の準備をしておくべきだ。
介護される生活は、全く別世界だ。義母の介護を見守っている立場から見て、介護される側の生活は非日常になる。在宅介護なんて多くの家族にとって無理に近い。在宅介護で老衰状態になり他界して行く人も大勢いるのではないか。
足の筋力が衰えて自分で歩けなくなる。これだけでも非日常の生活になる。自分で不自由なく歩ければ、ほとんどの事は出来るのに歩けないために他人の手助けなしに事が済まされない。トイレも自分で行けない。風呂にも入れない。自分で動く事が出来ない生活は耐え難い。
誰もが年老いて行く。必ず、いつか自分の足で動けなくなる日がやってくる。介護ベッドの上で1日中寝ている生活だ。そんな生活が半年続けば、足は骨と皮になり、栄養失調状態がやってくる。老化による影響で腎機能が低下して水分を体で処理できなくなり、体内に水が溜まり、足首がむくみだす。
義母の様子を見て将来の自分の姿を想像する。
介護状態になると?
動物が動けなくなると死んでしまう。誰も助けてくれないからだ。人間も動物と同じように動けなくなったら死ぬしかない。動物と違ってその死に方が穏やかにやってくる。介護状態という期間を経て死がやってくる。老人が介護状態になったら若返ることはないし、以前のように元気に普通の生活に戻れるのは奇跡に近い。
バイオテクノロジーがもっと進んで介護状態の老人を普通の生活が出来るようになれば、望みはあるが私の世代がそれを期待するのはかなり難しいだろう。そんな希望を抱くよりも介護状態になった時の心構えと楽しみ方を考えるべきだ。
結論
2019年度の男性平均寿命 81.4歳、女性 87.4歳。健康寿命は、男性が72.68年、女性が75.38年である。その差が約9年間ある。9年間、介護される状態になるという意味である。介護される状態は自分の足で動くことができない健康状態である。常に誰かの手助けがないと身の回りの世話ができない。今から介護状態になったらどうするかを考えるべきだ。