海女さんの血管年齢が同年代の女性と比較して10年ほど若いという調査結果が発表された。さもありなんという印象だ。海女さんの仕事は体力と集中力が伴う。体と神経を使って漁をする。体を毎日使っている生活リズムは新陳代謝を良くする。古い細胞が新しい細胞に再生する能力が衰えない。体の若さは再生能力にある。
60歳と70歳代で何が違ってくるのか。老いの感じ方が酷くなることである。まず、体全体の筋力の低下、それに伴う歩行障害である。自分の足で長時間、長距離を歩き回ることが出来なくなる。運動不足と摂取カロリーの低下で新陳代謝も落ちてくる。
老いれば老いるほど体を喜ばせる楽な生活を求め始める。階段を避けてエスカレーターやエレベーターを使う。歩いて行ける距離なのに自動車や自転車で行く。日常の生活習慣に体を活発に動かす要素がないシニアは体力と筋力を落として行く。
老いに抵抗して健康寿命を延ばしたいと望むシニアは生活習慣に定期的な運動習慣を取り込まないと駄目である。
生活のリズムに新陳代謝を向上させる運動を取り込む(仕事でも良いし趣味でも良い)
シニアの知人(70歳代、80歳代)を見て、定期的に運動をしているシニアは概して若い風貌を感じられる。歩き方を見ても若々しい、力強い歩き方をしている。運動を定期的にすることをやめた老人は老化現象として体力が落ちてくるのがわかる。杖を持って歩いている老人を見ると死期が近づいて来ているように感じる。
足は人間にしても動物にしても生きて行く上で重要な機能を果たす。自分で行きたい場所に行くための機能である。自分の足が不自由になるとトイレ、冷蔵庫、お風呂、キッチン、居間、寝室などへの移動が大変になる。自分の行動範囲が狭くなり、家族に負担が行く。
自分の子どもたち、伴侶に余分な負担をかけないためには自分の健康を気遣うことである。健康寿命を長くする生活のリズムを習慣化して普通の生活が当たり前に出来る体を維持することである。シニアは若者と違って老いが近づいてくると普通の生活が出来なくなる。老人になってみないとこの言葉を理解できない。
68歳の私は毎年歳を取る過程で新しい発見がある。今まで出来ていた動作が難しくなって来る事である。体は確実に固くなってくる。関節や筋がもろくなり、ちょっとした力仕事で痛みを感じ始める。若い頃はこんなことを経験しなかった。
50歳以上の年齢であるならば、一度試してみて頂きたいこと
椅子に浅く座って片足で立ち上がることが出来るかどうか。多くのシニアはこれができなくなっている。足の筋力が急激に衰えてきていることに気がついていないから。もう一つやってもらいたいことがある。腕立て伏せである。
足の筋力が弱くなってくると歩いている時につまずきやすくなる。つまずいて前方に倒れて顔を怪我する、または、腕を骨折する。腕力が強ければ、前方に倒れた時に倒れる衝撃を緩和出来る。怪我もしないかもしれない。腕立て伏せは腕の力を見るために良い指標になる。
60歳代の平均回数が17回。70歳以上になると0回になる。歳を取ると急速に筋肉が衰えていく証拠である。70歳以上の老人がつまずいて前方に倒れたら99.99%怪我をする可能性が高い。腕の力で支えきれないからだ。
老齢者で定期的に筋力運動をしている人は急激に衰えていく筋力を維持・強化できる。海女さんの血管年齢が10年若いという理由も筋力を維持でき強化しているからだと思う。筋肉細胞が運動で傷ついてそれを治す過程で成長ホルモンが分泌される。成長ホルモンは体の免疫力を強める。新陳代謝も向上させる。ここに若さの元がある。
60歳以上の人は筋力が急激に衰えていく年齢に来ているので自分の生活の中に体の筋肉を定期的に使う生活のリズムを取り込む必要がある。
体を定期的に使う仕事をしている農家は高年齢になっても畑仕事ができている。歩く上で杖などを使っていない人が多い。筋力が維持されているからだ。
都会で老人ホームで生活をしている老人は確実に死期が近づいている。歩くという人間の基本運動が阻害されている生活環境にいるからだ。
体を楽にさせる生活習慣はシニアの健康寿命を短くする
米国で働いていた時に運動不足で血行が悪くなり体を壊した。毎日自動車通勤で歩くことが非常に少なかった。日本での通勤は体力を消耗させるが筋力を維持させてくれる。駅の階段、電車の中でも戦い、自宅から駅までの徒歩など足を使うことが多い。
私は毎週2回は近くのスポーツセンターに通ってウエイトトレーニングを2時間ほどしている。汗をかいて老廃物を体から吐き出す。筋肉を傷めつけて成長ホルモンを強制的に分泌させる。タンパク質を多く取り、筋肉の量を増やす生活をしている。そのおかげで最適な体重に近づいている。風邪で休むということもない。つまずいても踏ん張れる。倒れても腕で支えられる。腕立て伏せが40回以上休まずに続けて出来る68歳シニア男性である。
働ける人は意識せずに体を動かす仕事をすること。賃金よりも体を定期的に動かすという仕事に注力する。お金よりも健康寿命を伸ばすことに価値がある。私がいつも気を使っていることが3つある。
- 文明の利器エスカレーターやエレベーターを使わないで自分の足を使う
- 筋トレを定期的に行う
- タンパク質の多い栄養バランスが取れた食事をする
70歳以上のシニアを見ると肥満体になる人と枯れて行く人が目立つ。肥満体のシニアはメタボリックシンドローム状態で運動不足。枯れて行っているシニアは運動不足と粗食で低栄養状態になる。どちらも自分の体を支える筋力と筋肉量で問題を抱えている。
生活習慣に定期的な運動要素を入れることで筋肉を刺激し食欲を増やすことが出来る。それが蒸し器のうちに出来る生活習慣を身に付ければ健康寿命は延びて体は若返って行く。
老人にとって健康はお金よりも価値がある
こんなシニアを身近に見ていないか?
- 歩いている姿が弱弱しいシニア
- 吹けば飛ぶような体のシニア
- 前かがみで姿勢が悪いシニア
若さは見栄えで判断される。どんなにお金が沢山あっても自分の体は思うようにお金で変えられない。女性が整形で大金を使っても老化は隠し切れない。普通の人が当たり前に出来ていることが自分で出来る筋力と健康がないと余生は楽しめない。
体は使わないと動かなくなる。長期間エンジンをかけていない自動車のようにエンストする。関節も動かさないと固くなり動かすと痛みを伴う。若者と老人の体の違いは柔らかさである。
私はスポーツジムで懸垂をする。シニアで懸垂が出来る人は少ない。体を両手で持ち上げる筋力は体がその動作に慣れていないとできない。懸垂を沢山出来るようにするには定期的に懸垂をするしかない。最初は1回しかできなかったが、1年後には10回出来るようになる。継続して懸垂運動をしたからである。
自分の体を意識して鍛えるという活動を日常生活に取り入れないと老化は激しくなる。それが足の筋肉に出て多くのシニアは慌てる。健康食品の宣伝に騙されて飲み続けても一向に脚力は回復しない。足を鍛える運動をしていないからである。
お金よりも価値がある健康という若さを手に入れる努力をしないと面白くない老人ホームや介護される生活がやってくる。
結論
若返りたいシニアは生活習慣に定期的な運動要素を取り入れることである。老化は使わない体にやってくる。体を楽にする生活を続けると筋肉を使わなくなる。老人の筋肉は使わないと失われて行く。良く言われることは足の骨折で1週間入院すると足の筋肉量が急激に減って歩くためのリハビリが必要になる。若者の体はそうはならない。老人だけである。
60歳を過ぎたら筋トレは必須になる。それに気が付かないシニアが多い。日常生活に意識しないで体を積極的に動かす要素を習慣として取り込むことである。普通の生活以上に体の筋肉に負荷がかかる運動や活動をすることである。散歩だけでは不十分であることを認識しもっと足を刺激する運動をする。