80歳を越えた老人の幸せはなに?

4年前の私達夫婦は義母の介護で大変であった。ケアマネジャーの助言で義母を老健施設に入居させて私達夫婦も義母も義父も気持ちを落ち着かせる生活ができた。

「義母が老健でリハビリを始めて半年が過ぎた。驚くほど回復が早い。自宅で生活をしていた時は小食で好き嫌いがあった。老健ではそんな我儘が通用しない。体力を回復させなければならないという意識で食事をしているようだ。その結果、衰弱していた体が自宅で生活をしていた以上に回復をしてきた。ちょっと、驚いている。老健で提供される食事が栄養面で良くバランスが取れているからだと思う。」・・・4年前の様子

一度衰えた足の筋肉はそう簡単に元に戻らない。老健施設では四輪歩行車で移動している。それ以外は少し認知症の普通の老人と言う感じである。彼女の行動範囲は老健の宿泊フロアーだけに限られる。今年の5月に老健施設から老人ホームに入居した。すでに義父が先に入居している老人ホームである。夫婦で入居する老人ホームは自宅で生活を共にするのとは違っている。

義両親はすでに90歳を超えている。安心して生活を続けるには第三者の見守りと介助が必要になる。90歳を過ぎた人生はどのように見えるのだろうか。本当に幸せなのだろうか。長生きは良いことなのだろうか。体が朽ちて来て自分の思い通りに動かなくなる。そんな生活で幸せを感じるのだろうか。もう一人で外の世界を歩くことができない。他界するまで老人ホーム住まいである。

横浜の街中を歩いている老人たちは幸せな老人たちである。老健や老人ホームのお世話に成らないで自分で動き回れる。動きはスローであるが、行動範囲で制約がない。お金さえあれば、食べたい物が食べられる。老人にとって「行動の自由」があるという事に意味がある。老化で自由な行動が出来ない老人が大勢いる。私が横浜で目にしている老人たちは自分で行動する自由を手にした幸せな老人たちである。

団塊の世代の人たちが2025年に75歳以上になる。私は70歳になる。今年生まれた赤ちゃんの人数が85万人以下と言う。確実に少子高齢化が進んでいる。下記の出生数のチャートを見てもらいたい。

baby population

出生数は減少し、高齢者数は増加する。80歳まで生きられる人が増えるのも確かである。あとは生き方の問題である。肉体的、精神的に制約がない普通の生活が出来る80歳以上の老人がどれだけいるかである。

足のリハビリを必要とする老人は80歳以上の方が多い

老健施設でリハビリをして生活をしている老人の95%以上が足に障害を抱えている。足の筋力低下で歩行器や車椅子の生活を送っている。その上、何らかの機能障害や病気を抱えている老人が多い。初期の認知症になっている老人も目立つ。体も脳も老化によって機能低下に追いやられる。老健の老人たちを見るたびに80歳を過ぎて生きる自分の老後を考える。

「行動の自由」を確保する脚力

「行動の自由」を奪われないようにするには、兎に角、足の筋肉を鍛える事!自分の足が言う事を聞かなくなったら「普通の生活」が確実に出来なくなる。私のようにまだ60歳代のシニアならば、足を鍛えるだけの時間的余裕がある。片足で座った椅子から立てなくても足の筋肉を鍛えれば、片足で椅子から立てるようになる。

認知症になっていなければ、足の自由を確保するだけで「普通の生活」も確保できる。老人は普通の生活をしていても筋肉が衰えて行く。80歳を越えれば、自然に足の自由が徐々に奪われて行く事に気が付く。老人にとって「普通の生活」ができる「行動の自由」は重要である。お金がどんなにたくさんあっても、どんなに素晴らしい有料老人ホームに入居していても、自分で自分を移動できない不自由さには辛いものがある。

「普通の生活」をするために足の筋肉を鍛えるしか方法はない!

老後の生活で幸せを自分でつかむには老化で奪われて行く身体運動機能を維持強化するしかない。その手段として、老人の筋トレが推奨されている。足を中心に鍛え、体全体の筋肉まで刺激する。これをしている高齢者であるか、無いかで80歳以降の「行動の自由」が決まる。老健でリハビリ生活をしている車椅子の老人たちは、老健施設の窓から外を眺めている。外を見ながら、自分で外に行って見たいと願っている。

老人になる=今まで出来た事が出来なくなる!今まで歩けたのに今は車椅子でないと移動ができない。精神的なストレスは大きい。老いて子供にもどるというが、それはある程度避けられない。そうなる年齢を遅らせることは出来る。足の筋トレを今からやり続けることである。

老化が進むに連れて走れる、歩ける、杖が必要、車椅子でしか移動できないの状態になる。二本足で歩けることが人間の生活の上でどんなに重要なことかを思い知らされる。足を鍛えることを諦めたら、その時点から「行動の自由」が失われて行く。これは誰が見ても明らかである。それが分かっていながら足を鍛える努力をやめてしまうシニアが多い。

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「80歳過ぎの幸せ」は普通の生活を自宅で出来る脚力にある

67歳の私は筋トレを週2回やっている。特に足の筋肉を意識して鍛えている。日常生活でも1日1万歩を目標に歩いている。筋肉は使わないと失われる運命に有る。老人は若い人たちと違って筋肉を失いやすい。体を使う事が少なくなるからである。足を楽にさせる生活習慣が身に付いてしまっている。

老人ホームで生活をしている義両親の様子を見ていて感じることは、「老人ホームで生活をしたくない!普通の生活を自宅でしたい!」という事である。

それを実現させるには力強い脚力を今から作り上げることである。筋肉は年齢に関係なく貯蓄ができる。タンパク質の多い食事と定期的な筋トレで足の筋肉を鍛えるのである。行動の自由は足の筋肉量に依存する。筋肉量が有るポイント以下になると足を引きずる歩き方になる。体のバランスも取れなくなる。

その兆候は70歳を過ぎた頃から徐々に体で感じ始める。そうなる前に足を鍛える運動習慣と意識を持つことである。筋肉を鍛えると骨まで丈夫になる。転倒しても簡単に折れない骨を維持できる。介護ベッド生活になる老人は転倒で骨を折るのが原因である。86歳の義母も転倒で老健施設に入った。自宅療養ではとても回復が見込めなかったから老健施設でリハビリに励むことになった。

老人になればなるほど、「普通の生活」が自宅で出来る事が最高の幸せに変わって行く。

結論

  • 横浜の街中を歩いている老人たちは幸せな老人たちである。老健や老人ホームのお世話に成らないで自分で動き回れる自由がある。
  • 老健施設でリハビリをして生活をしている老人の95%以上が足に障害を抱えている。
  • タンパク質の多い食事と定期的な筋トレで足の筋肉を鍛えることが必須になる。