70歳を過ぎると仕事をしているシニアの数が減少する。会社で働いていた人も自営業者も仕事を辞めて余生を楽しもうと考え始める。老人の健康寿命(男性 72.14歳 女性 74.79歳)を考えると70歳から好きなことで余生を楽しみたいと思うのが自然だ。
実際に70歳代の高齢者は「毎日が日曜日」をどのように過ごしているのだろうか。1日中自宅にはいられない。どこかに行って暇を楽しんでいるに違いない。一体、どこにいるのだろうか。
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毎日が日曜日のシニアの居場所
好きなことをやって余生を楽しむと言っても毎日特別なことをやって過ごすということが出来るのだろうか。毎日好きなことを仕事のように多くの時間をかけてやれるのだろうか。何か特別な目標があってそれに時間をかけたいと言うならば理解できる。
例えば、
- 大学に通って学び直したいとか
- 関心があるテーマをもっと深く追求したいとか
- 語学留学をしたいとか
・・・であれば仕事に変わる時間の使い方が出来る。
でも、大半の70歳代の高齢者は、ただ単に仕事に追われる生活から逃れて自分が自由に使える時間をほしいだけではないか。そんな印象が私にある。困るのは長年働き続けた生活習慣を急には変えられないという事実である。仕事に使われていた時間は長時間である。仕事の代わりに何をするのか。
地区のスポーツセンターで健康体操と筋トレ
70歳代は健康を第一に考え始める。周りの知り合いがスポーツセンターで健康体操や筋トレをやり始めてその流れに自分も取り込まれる。体の筋肉が全体的に失われ始め、その悪影響が足に来る。疲れやすく成った体に気づき体力向上のためにスポーツセンターに通い始める。
私の住居近くにメガロスという民間スポーツジムがある。時々、無料体験があり、その時だけ私は利用している。午前中は、高齢者で埋まっている。メガロスには、大きな浴場とサウナがあるため、高齢者にとってそれも魅力に成っている。高齢者向けの筋トレプログラムがあり、若い女性トレーナーがプログラムを作ってくれる。
私が週2回通う地区のスポーツセンターは1回300円でジム、シャワー、ロッカーが使える。ここも平日の午前中は、高齢者でいっぱいである。平日の午前中は仕事をしていない高齢者しか通えない。シニア女性は、健康体操教室に参加してその後おしゃべりタイムになる。それが目的でやってくる高齢者女性も多い。
地区の図書館、または、カフェ
午前中をスポーツセンターで体を動かしたあと、ランチを終えて図書館に行く高齢者もいる。図書館で新聞、雑誌、本を読みながら長椅子で昼寝をする。そんな老人がいる一方で何か調べごとで文献を一生懸命読んでいるシニアもいる。図書館の使い方には個人差がある。
文庫本を持ってカフェに出かけ午後の一時を過ごす高齢者もいる。長くて2時間から3時間ぐらいだろう。小説などの文庫本を読んでいるとあっという間に2時間、3時間は過ぎてしまう。時々見かけるシニアは、何もしないでぼーっとしている。私はスタバを仕事場として使っているのでそんなシニアを見かけることが多い。
私のようにパソコンやタブレットを持ってきて仕事をしている高齢者もいる。カフェに来る人たちを観察すると面白い。
ショッピングモール
横浜には、みなとみらい21という場所に大きな商業施設がいくつもある。ランドマークタワー、マーキーズ、赤レンガ倉庫、クイーンズスクエア、ワールドポーターズなど。川崎駅近くには、ラゾーナ川崎プラザというショッピングモールがある。夫婦でラゾーナ川崎プラザに行く時が時々ある。
ショッピングモールには、幾つもお休みベンチが置かれている。そのベンチで見かける老人が多い。人間を観察するだけでも面白いのだろう。お腹が空けば、レストランがたくさんあり、スーパーマーケットでお弁当を買って食べることも出来る。喉が渇けば自動販売機が置かれている。トイレも至る場所にある。
ある意味で駅近くにある「ショッピングモールは利便性のある高齢者の遊び場」かもしれない。お店を冷やかしで巡ることも出来る。温度も適温で居心地が良い。平日の昼間は、老人たちと子供連れの母親たちが多い。
仕事を失くした70歳シニア男性は街中を歩き回る
こんなルートで観光巡りをするように歩き回るシニアがいる。
- 午前9時頃に自宅を出る
- 横浜駅近くのカフェか、マクドナルトでコーヒーを飲みながら新聞を読む
- ランチの時間までカフェで暇をつぶす
- 横浜駅のレストラン街でランチをする
- ランチのあとは横浜駅の地下街をウインドウショッピングしてヨドバシカメラで一服する
- 午後15時頃に自宅近くの公園に向かい、歩き回る
- 午後17時過ぎに自宅に帰還
あまり余った時間をつぶすのに苦しむ70歳過ぎのシニア男性が大勢いる。仕事さえあれば、暇な時間はなくなり、小遣い稼ぎが出来る。若い人も職探し。70歳過ぎのシニア男性に回ってくる仕事は体力的に無理な3Kの仕事。自宅でゴロゴロしたくても妻の嫌な顔が浮かび上がる。
街なかを目的もなく歩き回るシニア男性を多く見かける。行き場所が定まらないためにただ歩き回る。なぜか、そんな老人の時間がもったいない感じがする。私はいつも歩き回っているシニア男性を見るとこんな事を考える。暇な老人は定期的に開催される運動教室に通うべきと。地区のスポーツセンターでは運動教室が開催されている。なぜか、シニア女性が多い。
暇になると自宅でテレビを見る時間が増える。体を動かさない不健康な生活習慣が出来上がる。それを是正するために週2回、3回の運動教室に参加して他のシニアと触れ合う。触れ合うことで新しい活動が生まれてくる。
自分が一番気に入る場所を一つ作っておく
毎日が日曜日のシニアは、外に第2の居場所を持たないと日中8時間を上手く使えない。仕事を離れて3ヶ月から6ヶ月立つと暇が苦痛になる。暇な時間に日常生活を襲われるとシニアは認知症のリスクを抱える。暇な時間が人間の脳を刺激しなくなる。
釣り好きなシニアは、毎日近くの川や海に釣りに出かけられる。ぼーっと釣り糸をたれながら風景を楽しむ。朝からマクドナルトに出かけて自宅の朝刊を隅から隅まで読んでいる老人もいる。マクドナルドの午前中は、子供は学校なので高齢者が主なお客さんになる。
妻は平日の私の居場所を知っている。仕事場として横浜駅近くのタリーズコーヒーのカフェでパソコンを使ってインターネットビジネスをしている。週2回、月曜日と金曜日に近くのスポーツジムに行って筋トレを2時間ほどする。妻は私の服装を見てそれを知る。
私のお気に入りの場所は2つになる。
- ネットで仕事をする場所、横浜駅近くのタリーズコーヒー店
- 自宅近くにあるスポーツジム
お気に入りの場所があるとその場所で使う時間が多くなり、生活のリズムが作りやすくなる。このリズムを作れると暇で悩むことが少なくなる。
70歳を過ぎて自宅にいる時間が増えると確実に足腰の筋肉が急激に衰える。そんな状態が5、6年続くと歩行障害で昔のように歩けなくなる。人間も動物も自分で歩けなくなると「死」が迫ってくる。介護される体になったら老人ホームで死を待つ状態になる。そんな余生はつまらない。
筋力、体力、健康を維持するには毎日外出して外からの刺激を受けお気に入りの場所で目的がある時間を過ごすことである。
自分が一番気に入る場所を一つ作っておくと「毎日が日曜日」のシニアの生活も楽になる。
結論
- 老人の健康寿命(男性 72.14歳 女性 74.79歳)を考えると70歳から好きなことで余生を楽しみたいと思うのが自然だ。
- 大半の70歳代の高齢者は、ただ単に仕事に追われる生活から逃れて自分が自由に使える時間をほしいだけではないか。そんな印象が私にある。
- 高齢者は、第2の居場所を外に持つと良い。スポーツセンター、カフェ、図書館、ショッピングモールなど。
- 自分が一番気に入る場所を一つ作っておくのがポイント