60歳、65歳、70歳で生活パターンが変わる

シニアのライフスタイルは、60歳、65歳、70歳以上で変わって行く。そのことを事前に理解していると余生の過ごし方で戸惑うことが少ない。若者たちにこんな事を話してもピンと来ない。60歳以上の人の生活が見えていないからだ。同じことが現在50歳代の人にも言える。

60歳定年退職後の自分の生活が見通せない。65歳まで働けるから別に気にしないと思っている人は65歳になってから戸惑うはずだ!

60歳から70歳までは5年毎に大きな節目がある

私は今70歳で自営業をしている。年金受給は65歳から始まった。年金のお陰で食べて行く上で不自由はしていない。好きで始めたビジネスは自然消滅する形で運営している。敢えて顧客を増やす努力はしていない。それには理由がある。70歳過ぎると健康のリスクが生まれる。ひとりビジネスは体が資本。体がおかしくなると顧客に迷惑がかかる。それが嫌なので健康であるうちに自然消滅させたいと思っている。

70歳以降は出来るだけ健康寿命を伸ばす生活習慣を作ろうと思っている。仕事も負担にならない程度にしている。生活の中心は週2回のスポーツジムでの筋トレである。その生活パターンを軸に仕事と余暇を組み立てている。

75歳から多くのシニアが健康障害で他界したり、不自由な生活を始めたりする傾向が強い。老化が一層体に出てくるからだ。特に脚力に問題を抱え始める。健康でないと生活は楽しくならない。生活習慣病を医者から指摘されたら、生活習慣を変える努力をしないと平均寿命を超える年齢になれないかもしれない。

老後は何をするにも体が資本になる。健康であれば、お金を稼げるチャンスが増える。

60歳になった時の節目

定年退職後の生活は同じ会社で新しい仕事をするか、全く別の会社で仕事を見つけるか、無職で浪人生活を送るか、起業に挑戦するかのどちらかだろう。どの選択を取るにしても社会で何らかの労働生産的な役割を果たす生活になる。

違う点は今までと違った労働、生活環境に身を置き、65歳で雇止めになるという事が分かっている事である。将来に対する一抹の不安を抱えながら自分の余生を計画せざるを得ない。今まで会社という組織におんぶに抱っこされてきた生活から自分の足で自分を支えなければならないという現実に直面する。

時間的猶予は雇止めになる65歳までの5年間である。この5年間の内に本当の意味での第二の人生キャリアを見つけて歩き始めなければならない。

65歳になった時の節目

65歳で雇止めに会い、別の現金収入を得るために再度仕事探しが始まる。同時に厚生年金と国民年金の支給が始まり経済的に年金生活が始まる。アルバイトやパートをしながら年金で足りない収入を補う生活。多くの65歳シニアは自分の生活費や小遣い稼ぎに走る。

70歳まで働かせてくれる会社がなかなか見つからない。企業は年金受給者の足元を見て格安で誰もやりたがらない仕事を餌にシニアを釣ろうとする。それも健康でないと働けない。ちょっとした持病があると書類審査で落ちまくる。

65歳から70歳まではパートかアルバイトの仕事で生活費や小遣い稼ぎをする生活が続く。または、働くことを諦めて趣味に走る。生活を年金で過ごせるようにする「節約の試行錯誤」が始まる。

70歳になった時の節目

70歳になったら働きたくても働かせてくれない労働環境になる。起業しているシニアならば仕事があるが多くのシニアは、体が疲れ始めるのでパートもアルバイトもやらなくなる。自宅でゴロゴロしているか、当てもなく通勤時間帯に自宅を出て、図書館かカフェで時間を潰す生活が始まる。

同じ年齢の遊び仲間が近くにいれば、皆が集まりやすい場所に出かけて暇を潰すことになる。多くの元会社員は地域に根を張っていないため地元の同世代の人たちとの交流がない。定年退職と同時に地元で足が浮いた生活になる。そんな生活が65歳から顕著になる。

70歳以降は働いて収入を得る生活を求めても色々な障害(健康障害、年齢による差別がある労働環境、労働意欲の減退)が現れて思うように働けなくなる。頭の中はもう働かないで悔いのない生活をしたいという欲求でいっぱいになる。自分の命がいつ途切れても良いような生活を送ろうと努める。

70歳代以降

健康を意識した生活が色強く出始めるのが70歳代以降である。60歳代のシニアは体がまだ元気だからである。70歳代になると加齢による影響が体の一部に出始める。健康維持に目覚めてスポーツセンターで健康体操や筋トレを始める高齢者が増える。

本来ならば、定年退職と同時に運動習慣を身に付けるトレーニングを始めるべきなのだが、体が元気なので意識がない。70歳代から始める定期的な運動は習慣付けが難しい。運動することが好きでない人や三日坊主の人が多いから。体は楽の方に、楽な方に自然と向かってしまう。

運動習慣を身に付けた高齢者は70歳以降でも健康維持ができやすい。70歳代老人の関心は次第に社会生活から自分の健康に向き始める。

結論

こんな年齢による見通しが事前に見えていれば、もっと充実したライフプランを作り挑戦できたかもしれない。だが、そこまで考えて老後の生活を考えているシニアは少ない。自分のライフプランを60歳から5年毎に考える事で将来への不安を無くす事が出来る。