米国のシニアカップルは、性行為を楽しんでいるというよりはタッチケアを楽しんでいる。肌で感じるタッチケアの行為に米国人は何も抵抗を感じていない。更年期を過ぎた女性は、性行為に興味がなくなる人が多いがタッチケアという視点で性行為を見ると違った世界が登場する。
タッチケアは、スキンシップ的な行為だが肌と肌を触れ合うことで人の温もりを感じ合える。老人たちの性行為もタッチケア的な領域に入ると私は思っている。
高齢者のタッチケアは心と健康維持に役立つ
性行為は心臓病、男性の前立腺肥大、女性の子宮内膜症などのリスクを減らす効果があるといわれている。男性の射精は、健康維持の面で重要だ。精液をつくる役割を担っている前立腺は通常使わなければ使わないほど肥大化するからだ。
タッチケアというアプローチで生まれる興奮は、異性とのお付き合いの中で生まれる。それが自然なやり方だ。年寄りに成ればなるほど新しい友達を作る必要がある。伴侶が他界していれば、尚更、新しい異性を探して孤独から逃れる必要がある。肉体的な興奮よりもタッチケアというアプローチで生まれる興奮がイマ注目される。
タッチケア
タッチケアの行為の延長線上に性行為が生まれても不自然ではない。お互いがお互いの欲求を満たすことが出来れば、老後の生活に潤いが与えられる。
性行為で子供が生まれるというリスクはシニアカップルにはないし、そこまで肉体が行っていない。性行為があるにしてもタッチケアによる行為である。
平均週1~2回セックスすれば、免疫力を高める効果を持つ抗体タンパク質の免疫グロブリンの分泌が促進され、風邪や他の感染症から体を守る機能が高められるという。(高齢者のセックスと健康)
多くのシニアはアンチエイジングを求めている。高齢者でも愛がある性行為であれば、誰も咎めないし、その行為で若返りホルモンを得る機会も持てる。
最後に注目すべきは、老化を遅らせたり、寿命を延ばす効果があるとの指摘だ。気持ちの良いセックスをすることで、「若返りホルモン」と呼ばれるDHEAの分泌が促進され、表情が明るくなり、顔や首、髪の毛などが若返ってくるという。(同上)
若い時に性行為を楽しんだ夫婦が歳を取って性行為を止めてしまうのは、 人間に与えられた神からのギフトを失うに等しい。歳を取る度に私たちは体の機能を失っていく。体に備わった機能が使える限り使う。それが自然である。
シニアの健康維持のために
シニアの健康維持のためにタッチケアをする。タッチケアは自分たちの健康寿命を伸ばすという視点に立って性行為というテーマを再度考え直す時期ではないか。少子高齢化の時代のピークが2020年にやってくる。最愛のパートナーと死別した孤独なシニアが増えてくる。
新しいパートナーを探す上でタッチケア的なセックスは共通の要素になる。一緒に居る時間が長くなれば自然と手を握り、ハグをするようになる。お互いの気持ち良さをタッチケアーで味わう。一人暮らしのは、残りの生涯を一緒に楽しむためのパートナー探しを積極的にしたほうが良い。
健康維持のためにやるべきことは他にもある。