年寄りの世界は自分が年寄りになってみないと分からない世界である。人それぞれ違った年寄りの世界がある。67歳になる私の世界は73歳の人の世界とは違う。60歳代は、まだ、社会で働ける年代である。70歳代は殆どの人が働くのをやめて社会との繋がりを離れる。仕事から離れた人の世界は孤独の世界である。誰も自分の存在に気が付かなくなる。
定年退職前の生活は社会が受け入れてくれる器(会社や仕事)をいくつか用意してくれていた。仕事を見つけて働けば良かった。65歳を過ぎて自分が入る器を探そうと探しても見つからない。社会には年齢制限という壁がある。65歳以降は自分で生活の基盤になる器を作りださねばならない。今までは仕事仲間がいた。65歳以降の老後は自分一人になる。
仕事仲間は同僚でしかない。たまたま同じ会社で仕事をしていたという関係である。会社を離れれば、そんな県警は一瞬にして消えてしまう。年齢が増えるに従って一人で時間を過ごすことが増えてくる。夫婦生活もどちらかが他界すれば一人生活になる。
一人で生まれて一人でこの世を去るのが人生。老後は一人で生活することに慣れなければならない。